どうしても眠れないな。

遠くの昔にそういう予想ができたが……
それが本当のことになった時、流石に俺も「切歯扼腕」といても過言ではない。
選択が迫るときに、俺は迷った。
選択を過たない方法、それはより多くの先達の言葉に耳を傾けることだ。いかに優秀な戦士であっても、迷った時は一人で判断を下さず、上官に相談する。俺の場合なら、いつものように年上の親友に相談だな。
そしていろんな見解を聞かされた今、自分なりの答えを考え出す。
彼の思案は俺自身の為であり、言葉のやり方や考え方が過激だけだからあまり彼を責めるつもりはない。非は彼一人にあるではない、俺にもある。
あいつが「こういう性格」を知りながらも敢えてド正面から衝突を挑むとは、どう見えても当時の俺はなんか狂ってるな。
お互いに冷静する時間が必要だ。
結局、時間に任せるという消極策を取るに決定した。
事態がさらに悪化するあまつさえほかの二人に害を及ぼすのなら……あいつとの縁を切るしかない、トカゲの尻尾きりのごとく。

子供だから、後先考えずに無茶をする？
大人だから、無駄にプライドが高い？
フフ……自嘲にも似た、力のない笑みが肺から漏れる。

このままじゃ、俺がいつか必ず「取り返しのつかない過ち」を犯す……か。