第9課 あらわす
新しい言葉
きんじょ
せっかく
どうしても
おさない
いっぱいやる
一杯やる
くちぐせ
(~に)たいする
(~に)対する
せりふ
はん
しらずしらずのうちに 知らず知らずのうちに
いつのまにか いつの間にか
えがく
リボン
ちょうなん
長男
むかえる 迎える
とうとう
(きかず)じまい (聞かず)じまい
~くせに
からかう 取笑,戏弄
デザイン
ちゃんと
(おんなのこ)よう (女の子)用
くべつ
区別
こせい
個性
(おとこ)もの
(男)もの
みかける 見かける
むらさき
紫
はで
派手
はいいろ 灰色
じみ
地味
(くろっ)ぽい (黒っ)ぽい
めずらしい 珍しい
あらわす 表す
ジェンダー
(~に)ついて
いつまでも
セクハラ
むすこ
息子
(いい)だす (言い)出す
いったい
わけ
[あらわす]
小学校四年生になる近所の男の子が「赤は女の色だから」と言って、せっかく母親が買ってきたシャツをどうしても着ようとしなかったという話を聞き、私も同じようなことを言って母を困らせたことがあったなと、幼いときのことを思い出した。
子供が五人もいたのに、すべて男。その子供たちに囲まれて一杯やりながら、父は決まって「一人でも女の子がいたらなあ」と言ったものだ。「私も女ですよ」父の口癖に対する母のせりふも、判で押したように決まっていた。女の子を欲しがっていた父は、家の中に「女の色」が少ないからと言って、カーテンの色をピンクにしてみたり、私たち子供に赤の入ったセーターを買ってきたりした。こうして私は知らず知らずのうちに、父に「女の色」を教えられ、いつの間にか私の描く女の子は、赤い服を着、ピンクのリボンをするようになっていた。そんな父だったから、長男の私が結婚したときも、やっと自分にも女の子ができたと言って私の妻を迎え、家の中に「女の色」が増えると言って喜んだ。しかし、父がどうして赤やピンクを「女の色」だと思っていたのかは、とうとう聞かずじまいになってしまった。
私が子供のころには黄色いセーターを着たりすると、「男のくせに」とからかわれたものだ。色ばかりではなく、例えばかばんや洋服のデザインなどにも、ちゃんと男の子用、女の子用と区別があったように思う。ところが、最近は個性を大切にする時代なのだそうで、テレビを見ていても、町を歩いていても、「女の人」用のかばんを持った男性や、「男もの」の時計をした女性を見かけることも少なくない。ピンクや紫の派手なシャツを着、赤いハンカチを持った男性もいれば、黒や灰色の地味な上着を着、黒っぽいズボンをはいた女性も、珍しくない。知らず知らずのうちに「男の色」「女の色」を覚えた私の目には、もう今は男女を表す色の区別などなくなってしまったように見える。
「お父さん、少しジェンダーについて勉強したら。いつまでもそんなこと言ってたら、会社でセクハラって言われるぞ」大学生になった息子が、いつのころからかそんなことを言い出した。「しかし、それならいったい『女の色』を嫌がって母親を困らせる小学生が、今でもいるのはどういうわけなのだ」と、私は心の中で考えてしまう。
使いましょう
A 「せっかく」 好不容易…,特意地…。表示好不容易经过一番努力,可得到的却是遗憾的结果。
例:せっかくしゅくだいをしたのに、忘れてきてしまいました。
1.せっかく旅行に行く用意をしたのに、かぜをひいて行けなくなりました。
2.せっかくおいしい料理を作ったから、みんなで楽しくいただきましょう。
3.せっかく遊びに行ったのに、家にいませんでした。
4.せっかくいただいたプレゼントだから、みんなに見てもらいましょう。
5.せっかくの日曜日なのに、働かなければなりません。
6.せっかくのプレゼントだから、きょうから使いましょう。
7.A: 今晩、一緒に映画を見に行きませんか。
B: せっかくですが、仕事があるんです。
8.A: これ、おいしいですよ。たくさんめしあがってください。
B: せっかくですが、さっき昼ごはんを食べたので、おなかが一杯なんです。
B 「どうしても~ようとしない」
例: 母親が買ってきた赤いシャツをどうしても着ようとしなかった。
1.むすめは寝る時間になっても、どうしてもゲームをやめようとしなかった。
2.高い辞書を買ったのに、息子はどうしても使おうとしない。
3.熱があるのに、かれはどうしても学校を休もうとしない。
4.すきやきを作ったのに、かれはどうしても食べようとしない。
5.十二時になったのに、どうしても帰ろうとしない。
C 「~たものだ」…经常…
例: 私が子供のころには、黄色いセーターを着たりすると「男のくせに」と言われたものだ。
1.今と違って、私の子供のころはよく遊んだものです。
2.昔は地下鉄がなかったので、自転車に乗って出かけたものです。
3.学生時代にはお金がなかったので、よく図書館で本を借りたものです。
4.暇だったころは月に一回ぐらい旅行したものです。
5.ひらがなが読めなかったころは友達に助けてもらったものです。
D 「~ように思う」 觉得似乎…。这是表示一种不太肯定的想法,有时也有一种避开肯定回答的委婉的说法。
例:A: この音楽、ごぞんじでしょう。
1.A: あれ、しゅくだいを忘れたんですか。
B: ええ、かばんに入れたように思ったんですが。
2.A: 私のペンを知りませんか。
B: さっき、電話の近くで見たように思いますが。
3.A: どこかでお会いしたことがありますか。
B: ええ、確か田中さんの家で一度お会いしたように思いますが。
4.A: この字、知っているでしょう。
B: ええ、確か「はる」と読むように思うんですが。
5.A: この料理、初めてですか。
B: いいえ、一度中国で食べたように思うんですが。
まとめましょう
下線に言葉を入れて本文をまとめてください。
近所の男の子が「赤は女の色だから」と言って、母親が買ってきたシャツを着ようとしなかった という話を聞いて昔のことを思い出した。私は父に 「女の子」を教えられた ように思う。
個性を大切にする今は 男女の色の区別などなくなってしまった ように見えるが、それなら 「女の色」を嫌がって母親を困らせる小学生がいるというの はどういうわけだろう。
話しましょう
A 第9課を読んで、ある人が次のように言いました。どう思いますか。
「いつ、どこで、どんなものを着るかは長い時間かかって昔から考えられたものだから、好きかきらいかだけで決めてはいけないと思います。結婚式のときも、仕事に行くときも、私はみんなと同じ服装で行きます」
B 私たちは毎日の生活の中で、どんなところに「色」を利用していますか。
略
書きましょう
A-1 のに、いつの間にか いた。
例:きのうまで子供だと思っていた
→きのうまで子供だと思っていたのに、いつの間にか大人になっていた。
1.名前も知らなかった
→名前も知らなかったのに、いつの間にか友達になっていた。
2.顔を見るのも嫌だった
→顔を見るのも嫌だったのに、いつの間にか好きになっていた。
3.始めはへやに何もなかった
→初めはへやに何もなかったのに、いつの間にか物が一杯になっていた。
A-2 。 も ば、 も 。
例:この学校には、アメリカ人や中国人などいろいろな人がいる
→この学校にはいろいろな人がいる。アメリカ人もいれば、中国人もいる。
1.京都は、新しいビルと古い建物が一緒にあって、古くて新しい町だ
→京都は古くて新しい町だ。新しいビルもあれ古い建物もある。
2.ジョンさんは、絵をかいたり、ピアノをひいたり、いろいろできる
→ジョンさんはいろいろなことができる。上手に絵もかけれピアノもひける。
3.公園の子供たちは、ないたり、けんかをしたり、見ていると面白い
→公園の子供たちは見ていると面白い。ないている子供もいれば、けんかをしている子供もいる。