第24課 [なおす]
新しい言葉
ながいき 長生き 长寿
かなえる 实现
もくひょう 目標 目标
いりょう 医療 医疗
たすかる 助かる 得救
きぐ 器具 器具
どうにゅう 導入 导入
ケース 实例,事例
がん 癌
~をはじめ 以…为首…
せんてんてき 先天的 先天的
しんぞう 心臓 心脏
ちりょう 治療 治疗
なおす 治す 医治
じんぞう 腎臓 肾脏
かんぞう 肝臓 肝脏
かんじゃ 患者 患者
いしょく 移植 移植
ぞうき 臓器 脏器
しゅじゅつ 手術 手术
すうねん 数年 数年
ドナーカード 捐献遗体卡
ちゅうもく 注目 注目
せいぜん 生前 生前
ほんにん 本人 本人
いし 意思 意思
ひょうめい 表明 表明
せいど 制度 制度
(~を)めぐる 围绕…
せんもん 専門 专门
かならずしも~ない 必ずしも~ない 未必……
じゅんちょう 順調 顺利,顺当
とくに 特に 特别
のうし 脳死 脑死
ばあい 場合 场合
~ことから 从这件事…
かんれん 関連 关联
ぎろん 議論 议论
のうは 脳波 脑电波
じんこうこきゅう 人工呼吸 人工呼吸
とりつける 取り付ける 安装
よこたわる 横たわる 躺卧
はずす 外す 摘下,取下
だいさんしゃ 第三者 第三者
いいきる 言い切る 断言
みうち 身内 自家人
わりきる 割り切る 想通
もしかして 假如
みとめる 認める 承认
~わけにはいかない 不能
へいきんじゅみょう 平均寿命 平均寿命
ねんねん 年々 年年
のびる 伸びる 延长
げんじつ 現実 现实
つういん 通院 定期去医院
ねたきり 寝たきり 卧床
しょくぶつにんげん 植物人間 植物人
ふたん 負担 负担
かのうせい 可能性 可能性
はたして 果たして 果然,果真,到底
ほんらい 本来 本来
さいだいげん 最大限 最大限度
とりのぞく 取り除く 取下
なす 成す 完成,达到目的
げんば 現場 现场
げんじょう 現状 现状
たりょう 多量 多量,大量
さいしん 最新 最新
(さいしん)しき (最新)式 最新式
えんめい 延命 延命
~ばかりか 不光
こうれい 高齢 高龄
かんがえなおす 考え直す 重新
[なおす]
一日でも長生きをという願いをかなえることを目標に、医療技術は目覚しい進歩を遂げてきた。その結果、昔なら助からなかった人が、新しい器具や技術の導入のおかげで元気になるケースも今では少なくない。しかし、そうした医療技術の進歩が私たちにもたらしたものは何だったのだろうか。
がんをはじめ、先天的な心臓病など治療が難しい病気は多い。そのような重い病気を治す方法の一つが、他人から心臓、腎臓、肝臓などを提供してもらい患者に移植する、いわゆる臓器移植の手術である。日本でも数年前にドナーカードが導入され、大きな注目が集まった。もし、自分に万一のことがあったら臓器を提供すると、生前に本人の意思を表明しておく制度である。もっとも、この制度をめぐっては、臓器移植そのものについて専門家の間でさえも様々な問題が取り上げられ、必ずしも順調に普及しているというわけではない。特に、臓器が脳死者から提供される場合が多いことから、それに関連する多くの議論があり、簡単には片付けられない問題となっている。
脳死とは、脳波が止まり、人工呼吸によって心臓だけが動いている状態を呼ぶ。患者に意識はなく、身体中に器具を取り付けられ、ただベッドに横たわっているだけである。話しかけても返事はもちろん、全く反応しない。笑うことも泣くことも、食べることも飲むこともしない。「これでは生きているとは言えない。器具を外してしまうべきだ」と、第三者なら言い切れるのだろうが、身内の立場からするとそう簡単に割り切ることはできない。「もしかして」という思いで、なかなか死を認めるわけにはいかない。
現在、医療技術の進歩のおかげで、平均寿命は年々伸びる傾向にある。いつまでも健康であるなら何も問題はないのだが、現実はどうなのだろうか。何からの理由で通院しなければならない人、寝たきりの人、さらには、植物人間と呼ばれる状態で、身内に大きな負担をかけている人。自分の身の回りにはそんな人はいないと、自分はそんな状態になる可能性はないと、果たしてどれだけの人が言えるのか。
本来、医療とは、患者の苦しみを最大限取り除くことを目的に成されるべきものではなかったのだろうか。医療現場の現状を見ると、必ずしもそうではないようだ。患者本人の思いとは別に、一分、一秒でも長生きさせるために多量の薬を使い、最新式の器具の助けを借り、延命治療が続けられている。そうした現状が、患者ばかりか周りの人たちに何をもたらすことになるのか。会社の高齢化が進む今、もう一度考え直すべき問題である。
使いましょう
A:「~をはじめ」
例:医者をはじめ、各界の専門家から様々な意見が出されている。
1.今度の計画は、社長をはじめ政府の役人やマスコミなども関心を持っている。
2.その劇的な瞬間は、テレビをはじめ多くのマスメディアに取り上げられた。
3.私の家では、父をはじめ家族全員が健康のために毎朝走っている。
4.車を買うことについては、姉をはじめ、全員が反対しています。
5.京都ををはじめ、いろいろな有名な所へ行きました。
B:「~をめぐって」
例:脳死をめぐって、様々な意見が出された。
1.昨日の会議では、新しい商品の開発をめぐって意見が分かれた。
2.臓器移植をめぐって、様々な問題が議論されている。
3.父の残した土地をめぐって、兄弟がずっと喧嘩を続けている。
4.地球の環境問題めぐって、様々な意見が出された。
5.新しいエネルギーの開発問題をめぐって、様々な意見が出された。
C:「~ことから」
例:この町は川が多いことから、「水の町」と呼ばれている。
1.最近交通事故で死ぬ人が増えたことから、交通規則がさらに厳しくなった。
2.最近個人情報を悪用する事件が増えたことから、個人情報の管理が問題となっている。
3.最近どの会社もさかんにリストラを行っていることから、仕事を持たない人が増えた。
4.場所が取りやすいことから、結婚式の日を五月に決めた。
5.母の健康状態がよくないことから、旅行に連れて行くのは無理だと判断した。
D「~わけにはいかない」
例:交通も問題になっているわけにはいかない。
1.社長だからと言って命令だけで何もせず、社員にすべてをやらせるわけにはいかない。
2.いくらお酒が飲めなくても、そのパーティーに出ないわけにはいかない。
3.先生に頼まれたのだから、出来ませんと言うわけにはいかない。
4.母に知られたら、黙っているわけにはいかない。
5.持っているお金を全部使って、旅行に出かけるわけにはいかない。
まとめましょう
下線に言葉を入れて本文をまとめてください。
医療技術の進歩は目覚しい。日本でも数年前臓器移植手術を普及させるために、ドナーカードが導入された。しかし、臓器が脳死者から提供される場合も多く、様々な問題がある。また、平均寿命は年々伸びる傾向にあるが、それは本当に良いことだろうか。本来、医療とは、患者の苦しみを最大限取り除くことを目的に成されるべきものなのに、患者本人の思いとは別に、一分、一秒でも長生きさせるために多量の薬を使い、最新式の器具の助けを借り、延命治療のか、が続けられている。それが、患者ばかりか周りの人たちに何をもたらすことになるのか、もう一度考え直すべきである。
話しましょう
A 第24課を読んである人が次のように言いました。どう思いますか。
「長生きすればするほど幸福だと多くの人は考えているようですが、違うと思います。人間の幸せは生きる長さとは関係ないと思います。長くても短くてもそれぞれ意味があると思います。人間は自然に生まれ、死ぬのが一番いいと思います」
B 治らない病気にかかった患者に医者はそれを知らせるべきだと思いますか。
略
書きましょう
A-1 本来、 とは、 ではなかったのだろうか。しかし、 を見ると、必ずしも 。
例:医療は患者の苦しみを最大限取り除くことだ
→本来、医療とは、患者の苦しみを最大限取り除くことを目的成されるべきものではなかったのだろうか。しかし、医療現場の現状を見ると、必ずしもそうではないようだ。
1.報道は事実を正確に伝えるためのものだ
→本来、報道の役割とは、患事実を性格に伝えることではなかったのだろうか。しかし、人の手を加えた報道写真を見ると、必ずしも報道が本来の役割を果たしてはいないようだ。
2.教育は子供の可能性を最大限に育てることだ
→本来、教育の目的とは、子供の可能性を最大限に引き出すことではなかったのだろうか。しかし、最近の教師や親の態度を見ると、必ずしもそのことだけを大切に考えているわけではないようだ。
3.宗教が目指すのは人間が安心して平和に暮らせる世界だ
→本来、宗教とは、人間が安心して平和に暮らせる世界を作ることを目指すものなのではなかったのだろうか。しかし、最近の状況を見ると、必ずしもそうではないようだ。
A-2 が のか、 今、もう一度考え直すべき問題である。
例:医療現場の現状/患者や周りの人たちにもたらすもの/社会の高齢化
→医療現場の現状が患者や周りの人たちに何をもらたらすのか、社会の高齢化が進む今、もう一度考え直すべき問題である。
1.便利で豊かな暮らし/地球環境に与える影響/環境破壊
→便利で豊かな暮らしが地球環境にどのような影響を与えるのか、環境破壊が進む今、もう一度考え直すべき問題である。
2.子供の数が少なくなること/将来の日本経済に与える影響/会社の高齢化
→子供の数が少なくなることが将来の日本経済にどのような影響を与えるのか、社会の高齢化が進む今、もう一度考え直すべき問題である。
3.外国語を勉強することだけ/国際化を進める方法/異文化の交流がますますもとめられている
→外国語を勉強することだけが国際化を進める方法なのか、異文化との交流がますます求められている今、もう一度考え直すべき問題である。