加载中…
个人资料
  • 博客等级:
  • 博客积分:
  • 博客访问:
  • 关注人气:
  • 获赠金笔:0支
  • 赠出金笔:0支
  • 荣誉徽章:
正文 字体大小:

桔子  芥川龙之介(转载)

(2016-05-13 09:59:53)
标签:

桔子

芥川龙之介

日本散文

分类: 芥川龙之介专辑

桔子

——芥川龙之介

 

  冬天的一个夜晚,天色阴沉,我坐在横须贺发车的上行二等客车的角落里,呆呆地等待开车的笛声。车里的电灯早已亮了,难得的是,车厢里除我以外没有别的乘客。朝窗外一看,今天和往常不同,昏暗的站台上,不见一个送行的人,只有关在笼子里的一只小狗,不时地嗷嗷哀叫几声。这片景色同我当时的心境怪吻合一的。我脑子里有说不出的疲劳和倦怠,就像这沉沉欲雪的天空那么阴郁。我一动不动地双手揣在大衣兜里,根本打不起精神把晚报掏出来看看。

 

  不久,发车的笛声响了。我略觉舒展,将头靠在后面的窗框上,漫不经心地期待着眼前的车站慢慢地往后退去。但是车子还未移动,却听见检票口那边传来一阵低齿木屐①的吧嗒吧嗒声;霎时,随着列车员的谩骂,我坐的二等车厢的门咯嗒一声拉开了,一个十三四岁的姑娘慌里慌张地走了进来。同时,火车使劲颠簸了一下,并缓缓地开动了。站台的廊柱一根根地从眼前掠过,送水车仿佛被遗忘在那里似的,戴红帽子的搬运夫正向车厢里给他小费的什么人致谢——这一切都在往车窗上刮来的煤烟之中依依不舍地向后倒去。我好容易松了口气,点上烟卷,这才无精打采地抬起眼皮,瞥了一下坐在对面的姑娘的脸。

 

  ①原文作日和下驮,晴天穿的木屐。

 

  那是个地道的乡下姑娘。没有油性的头发挽成银杏髻①,红得刺目的双颊上横着一道道皲裂的痕迹。一条肮脏的淡绿色毛线围巾一直耷拉到放着一个大包袱的膝头上,捧着包袱的满是冻疮的手里,小心翼翼地紧紧攥着一张红色的三等车票。我不喜欢姑娘那张俗气的脸相,那身邋遢的服装也使我不快。更让我生气的是,她竟蠢到连二等车和三等车都分不清楚。因此,点上烟卷之后,也是有意要忘掉姑娘这个人,我就把大衣兜里的晚报随便摊在膝盖上。这时,从窗外射到晚报上的光线突然由电灯光代替了,印刷质量不高的几栏铅字格外明显地映入眼帘。不用说,火车现在已经驶进横须贺线上很多隧道中的第一个隧道。

 

  ①银杏髻原为日本江户时代少女发式的名称,江户末期以来,在成年妇女当中也开始流行。

 

  在灯光映照下,我溜了一眼晚报,上面刊登的净是人世间一些平凡的事情,媾和问题啦,新婚夫妇啦,读职事件啦,讣闻等等,都解不了闷儿——进入隧道的那一瞬间,我产生了一种错觉,仿佛火车在倒着开似的,同时,近乎机械地浏览着这一条条索然无味的消息。然而,这期间,我不得不始终意识到那姑娘正端坐在我面前,脸上的神气俨然是这卑俗的现实的人格化。正在隧道里穿行着的火车,以及这个乡下姑娘,还有这份满是平凡消息的晚报——这不是象征又是什么呢?不是这不可思议的、庸碌而无聊的人生的象征,又是什么呢?我对一切都感到心灰意懒,就将还没读完的晚报撇在一边,又把头靠在窗框上,像死人一般阖上眼睛,打。起吨儿来。

 

  过了几分钟,我觉得受到了骚扰,不由得四下里打量了一下。姑娘不知什么时候竟从对面的座位挪到我身边来了,并且一个劲儿地想打开车窗。但笨重的玻璃窗好像不大好打开。她那皲裂的腮帮子就更红了,一阵阵吸鼻涕的声音,随着微微的喘息声,不停地传进我的耳际。这当然足以引起我几分同情。暮色苍茫之中,只有两旁山脊上的枯草清晰可辨,此刻直逼到窗前,可见火车就要开到隧道口了。我不明白这姑娘为什么特地要把关着的车窗打开。不,我只能认为,她这不过是一时的心血来潮。因此,我依然怀着悻悻的情绪,但愿她永远也打不开,冷眼望着姑娘用那双生着冻疮的手拼命要打开玻璃窗的情景。不久,火车发出凄厉的声响冲进隧道;与此同时,姑娘想要打开的那扇窗终于咯噎一声落了下来。一股浓黑的空气,好像把煤烟融化了似的,忽然间变成令人窒息的烟屑,从方形的窗洞滚滚地涌进车厢。我简直来不及用手绢蒙住脸,本来就在闹嗓子,这时喷了一脸的烟,咳嗽得连气儿都喘不上来了。姑娘却对我毫不介意,把头伸到窗外,目不转睛地盯着火车前进的方向,一任划破黑暗刮来的风吹拂她那挽着银杏譬的鬓发。她的形影浮现在煤烟和灯光当中。这时窗外眼看着亮起来了,泥土、枯草和水的气味凉飕飕地扑了进来,我这才好容易止了咳,要不是这样,我准会没头没脑地把这姑娘骂上一通,让她把窗户照旧关好的。

 

  但是,这当儿火车已经安然钻出隧道,正在经过夹在满是枯草的山岭当中那疲敝的镇郊的道岔。道岔附近,寒伧的茅草屋顶和瓦房顶鳞次栉比。大概是扳道夫在打信号吧,一面颜色暗淡的白旗孤零零地在薄暮中懒洋洋地摇曳着。火车刚刚驶出隧道,这当儿,我看见了在那寂寥的道岔的栅栏后边,三个红脸蛋的男孩子并肩站在一起。他们个个都很矮,仿佛是给阴沉的天空压的。穿的衣服,颜色跟镇郊那片景物一样凄惨。他们抬头望着火车经过,一齐举起手,扯起小小的喉咙拼命尖声喊着,听不懂喊的是什么意思。这一瞬间,从窗口探出半截身子的那个姑娘伸开生着冻疮的手,使劲地左右摆动,给温煦的阳光映照成令人喜爱的金色的五六个桔子,忽然从窗口朝送火车的孩子们头上落下去。我不由得屏住气,登时恍然大悟。姑娘大概是前去当女佣,把揣在怀里的几个桔子从窗口扔出去,以犒劳特地到道岔来给她送行的弟弟们。

 

  苍茫的暮色笼罩着镇郊的道岔,像小鸟般叫着的三个孩子,以及朝他们头上丢下来的桔子那鲜艳的颜色——这一切一切,转瞬间就从车窗外掠过去了。但是这情景却深深地铭刻在我心中,使我几乎透不过气来。我意识到自己由衷地产生了一股莫名其妙的喜悦心情。我昂然仰起头,像看另一个人似地定睛望着那个姑娘。不知什么时候,姑娘已回到我对面的座位上,淡绿色的毛线围巾仍旧裹着她那满是皲裂的双颊,捧着大包袱的手里紧紧攥着那张三等车票。

 

  直到这时我才聊以忘却那无法形容的疲劳和倦怠,以及那不可思议的、庸碌而无聊的人生。

 

  (一九一九年四月)

蜜柑

芥川龍之介

 

 或曇つた冬の日暮である。私は横須賀発上り二等客車の隅に腰を下して、ぼんやり発車の笛を待つてゐた。とうに電燈のついた客車の中には、珍らしく私の外に一人も乗客はゐなかつた。外を覗のぞくと、うす暗いプラツトフオオムにも、今日は珍しく見送りの人影さへ跡を絶つて、唯、檻をりに入れられた小犬が一匹、時々悲しさうに、吠え立ててゐた。これらはその時の私の心もちと、不思議な位似つかはしい景色だつた。私の頭の中には云ひやうのない疲労と倦怠とが、まるで雪曇りの空のやうなどんよりした影を落してゐた。私は外套のポツケツトへぢつと両手をつつこんだ儘まま、そこにはいつてゐる夕刊を出して見ようと云ふ元気さへ起らなかつた。

 が、やがて発車の笛が鳴つた。私はかすかな心の寛くつろぎを感じながら、後の窓枠へ頭をもたせて、眼の前の停車場がずるずると後ずさりを始めるのを待つともなく待ちかまへてゐた。所がそれよりも先にけたたましい日和ひより下駄の音が、改札口の方から聞え出したと思ふと、間もなく車掌の何か云ひ罵ののしる声と共に、私の乗つてゐる二等室の戸ががらりと開いて、十三四の小娘が一人、慌あわただしく中へはいつて来た、と同時に一つづしりと揺れて、徐おもむろに汽車は動き出した。一本づつ眼をくぎつて行くプラツトフオオムの柱、置き忘れたやうな運水車、それから車内の誰かに祝儀の礼を云つてゐる赤帽――さう云ふすべては、窓へ吹きつける煤煙の中に、未練がましく後へ倒れて行つた。私は漸やうやくほつとした心もちになつて、巻煙草に火をつけながら、始めて懶ものうい睚まぶたをあげて、前の席に腰を下してゐた小娘の顔を一瞥いちべつした。

 それは油気のない髪をひつつめの銀杏返いてふがへしに結つて、横なでの痕のある皸ひびだらけの両頬を気持の悪い程赤く火照ほてらせた、如何にも田舎者ゐなかものらしい娘だつた。しかも垢じみた萌黄色もえぎいろの毛糸の襟巻がだらりと垂れ下つた膝の上には、大きな風呂敷包みがあつた。その又包みを抱いた霜焼けの手の中には、三等の赤切符が大事さうにしつかり握られてゐた。私はこの小娘の下品な顔だちを好まなかつた。それから彼女の服装が不潔なのもやはり不快だつた。最後にその二等と三等との区別さへも弁わきまへない愚鈍な心が腹立たしかつた。だから巻煙草に火をつけた私は、一つにはこの小娘の存在を忘れたいと云ふ心もちもあつて、今度はポツケツトの夕刊を漫然と膝の上へひろげて見た。すると其時夕刊の紙面に落ちてゐた外光が、突然電燈の光に変つて、刷すりの悪い何欄かの活字が意外な位鮮あざやかに私の眼の前へ浮んで来た。云ふまでもなく汽車は今、横須賀線に多い隧道トンネルの最初のそれへはいつたのである。

 しかしその電燈の光に照らされた夕刊の紙面を見渡しても、やはり私の憂欝を慰むべく、世間は余りに平凡な出来事ばかりで持ち切つてゐた。講和問題、新婦新郎、涜職とくしよく事件、死亡広告――私は隧道へはいつた一瞬間、汽車の走つてゐる方向が逆になつたやうな錯覚を感じながら、それらの索漠とした記事から記事へ殆ほとんど機械的に眼を通した。が、その間も勿論あの小娘が、恰あたかも卑俗な現実を人間にしたやうな面持ちで、私の前に坐つてゐる事を絶えず意識せずにはゐられなかつた。この隧道の中の汽車と、この田舎者の小娘と、さうして又この平凡な記事に埋つてゐる夕刊と、――これが象徴でなくて何であらう。不可解な、下等な、退屈な人生の象徴でなくて何であらう。私は一切がくだらなくなつて、読みかけた夕刊を抛はふり出すと、又窓枠に頭を靠もたせながら、死んだやうに眼をつぶつて、うつらうつらし始めた。

 それから幾分か過ぎた後であつた。ふと何かに脅おびやかされたやうな心もちがして、思はずあたりを見まはすと、何時いつの間にか例の小娘が、向う側から席を私の隣へ移して、頻しきりに窓を開けようとしてゐる。が、重い硝子戸ガラスどは中々思ふやうにあがらないらしい。あの皸ひびだらけの頬は愈いよいよ赤くなつて、時々鼻洟はなをすすりこむ音が、小さな息の切れる声と一しよに、せはしなく耳へはいつて来る。これは勿論私にも、幾分ながら同情を惹ひくに足るものには相違なかつた。しかし汽車が今将まさに隧道トンネルの口へさしかからうとしてゐる事は、暮色の中に枯草ばかり明い両側の山腹が、間近く窓側に迫つて来たのでも、すぐに合点がてんの行く事であつた。にも関らずこの小娘は、わざわざしめてある窓の戸を下さうとする、――その理由が私には呑みこめなかつた。いや、それが私には、単にこの小娘の気まぐれだとしか考へられなかつた。だから私は腹の底に依然として険しい感情を蓄へながら、あの霜焼けの手が硝子戸を擡もたげようとして悪戦苦闘する容子ようすを、まるでそれが永久に成功しない事でも祈るやうな冷酷な眼で眺めてゐた。すると間もなく凄じい音をはためかせて、汽車が隧道へなだれこむと同時に、小娘の開けようとした硝子戸は、とうとうばたりと下へ落ちた。さうしてその四角な穴の中から、煤すすを溶したやうなどす黒い空気が、俄にはかに息苦しい煙になつて、濛々もうもうと車内へ漲みなぎり出した。元来咽喉のどを害してゐた私は、手巾ハンケチを顔に当てる暇さへなく、この煙を満面に浴びせられたおかげで、殆ほとんど息もつけない程咳せきこまなければならなかつた。が、小娘は私に頓着する気色けしきも見えず、窓から外へ首をのばして、闇を吹く風に銀杏返いてふがへしの鬢びんの毛を戦そよがせながら、ぢつと汽車の進む方向を見やつてゐる。その姿を煤煙ばいえんと電燈の光との中に眺めた時、もう窓の外が見る見る明くなつて、そこから土の匂や枯草の匂や水の匂が冷ひややかに流れこんで来なかつたなら、漸やうやく咳きやんだ私は、この見知らない小娘を頭ごなしに叱りつけてでも、又元の通り窓の戸をしめさせたのに相違なかつたのである。

 しかし汽車はその時分には、もう安々と隧道トンネルを辷すべりぬけて、枯草の山と山との間に挾まれた、或貧しい町はづれの踏切りに通りかかつてゐた。踏切りの近くには、いづれも見すぼらしい藁屋根や瓦屋根がごみごみと狭苦しく建てこんで、踏切り番が振るのであらう、唯一旒いちりうのうす白い旗が懶ものうげに暮色を揺ゆすつてゐた。やつと隧道を出たと思ふ――その時その蕭索せうさくとした踏切りの柵の向うに、私は頬の赤い三人の男の子が、目白押しに並んで立つてゐるのを見た。彼等は皆、この曇天に押しすくめられたかと思ふ程、揃そろつて背が低かつた。さうして又この町はづれの陰惨たる風物と同じやうな色の着物を着てゐた。それが汽車の通るのを仰ぎ見ながら、一斉に手を挙げるが早いか、いたいけな喉を高く反そらせて、何とも意味の分らない喊声かんせいを一生懸命に迸ほとばしらせた。するとその瞬間である。窓から半身を乗り出してゐた例の娘が、あの霜焼けの手をつとのばして、勢よく左右に振つたと思ふと、忽ち心を躍らすばかり暖な日の色に染まつてゐる蜜柑みかんが凡そ五つ六つ、汽車を見送つた子供たちの上へばらばらと空から降つて来た。私は思はず息を呑んだ。さうして刹那に一切を了解した。小娘は、恐らくはこれから奉公先へ赴おもむかうとしてゐる小娘は、その懐に蔵してゐた幾顆いくくわの蜜柑を窓から投げて、わざわざ踏切りまで見送りに来た弟たちの労に報いたのである。

 暮色を帯びた町はづれの踏切りと、小鳥のやうに声を挙げた三人の子供たちと、さうしてその上に乱落する鮮あざやかな蜜柑の色と――すべては汽車の窓の外に、瞬またたく暇もなく通り過ぎた。が、私の心の上には、切ない程はつきりと、この光景が焼きつけられた。さうしてそこから、或得体えたいの知れない朗ほがらかな心もちが湧き上つて来るのを意識した。私は昂然と頭を挙げて、まるで別人を見るやうにあの小娘を注視した。小娘は何時かもう私の前の席に返つて、不相変あひかはらず皸ひびだらけの頬を萌黄色の毛糸の襟巻に埋めながら、大きな風呂敷包みを抱へた手に、しつかりと三等切符を握つてゐる。…………

 私はこの時始めて、云ひやうのない疲労と倦怠とを、さうして又不可解な、下等な、退屈な人生を僅に忘れる事が出来たのである。

(大正八年四月)

 

0

阅读 收藏 喜欢 打印举报/Report
  

新浪BLOG意见反馈留言板 欢迎批评指正

新浪简介 | About Sina | 广告服务 | 联系我们 | 招聘信息 | 网站律师 | SINA English | 产品答疑

新浪公司 版权所有