日语综合教程第七册第十课徒然草(一)
(2015-10-10 09:47:10)
标签:
徒然草日本文学日语综合教程 |
分类: 日语综合教程第七册 |
一.随笔の本質随笔之本质
つれづれなるままに、日暮らし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
闲来无事,一人独居,整日面对桌砚,我心中烦事纷现,持续写些无聊之事,似乎有一种怪怪的失去理智的感觉。
翻译成现代日语:
a.話し相手もなく、一人住みの所在なさに任せて、一日中にむかって、自分の心に次へと映っていく、たわいもないことを、書き続けていくと、変に気違いじみた気持ちになることである。
b.
単調な生活の連続で所在ないのにまかせて、一日中机に向かって、自分の心に次から次へと映ってゆくとりとめもないことを、なんということもなく書きつけていくと、われながら不思議なほど(さまざまものが見えてきたりなどして)気違いじみた気持ちになることではえる。
词语解释:
1.つれづれ(徒然):することがなくて寂しいこと。所在ないこと。
因无以适从而感到寂寞,无事可做。
2.日暮らし(ひくらし):朝から晩まで。一日中。从早到晚。
3.よしなし(由無し):理由がない。わけがない。毫无理由。
4.そこはかと:はっきりしたり理由がない。无清晰的理由。
5.あやしい(怪しい):普通並みでなく、変だ。奇怪的。
6.ものぐるほし(もの狂うほし):正気を失ったようだ。似乎失去理智。
二.旅の珍しさ旅行之珍贵
いづくにもあれ、しばし旅たちたるこそ、めさむる心ちすれ。
そのわたり、ここかしこ見ありき、田舎びたるところ、山里などは、いと目なれぬ事のみぞ多かる。都へたよりもとめて文やる。「その事かの事、便宜に忘るな)など言ひやるこそをかしけれ。
さやうの所にてこそ、よろづに心づかひせらるれ、持てる調度まで、よきはよく、能ある人、かたちよき人も、常よりはをかしとこそ見ゆれ。
寺.社などにしのびてこもりたるもをかし。
(第15段)
作短暂旅行,无论去何处,可使心神愉悦。
在这附近,到处转转。田舍山村等处,使人眼前一亮的颇具新鲜感的事物多着呢。有顺便去都市之客在此停留,可代遣书信,告以“此事彼事,便中务请办妥”云云,实在有趣。
恰是在此地,被人所万事牵挂,以至于随身携带之用具,佳者更显其佳,颇具才艺者,姿态万方者,看起来比往常更有趣味。
或潜入寺庙神社等处祈愿,亦有趣也。
译成现代日语:
どんなところでもよい、しばらく旅に出ていることは、実に目のさめるような新鮮感じのするものである。
旅先の近辺をあちらこちらとぶらぶら見て回り、田舎びたところ、山里などは、実に見慣れない珍しいことが多いものである。旅先で都への幸便を求めて(我が家へ)手紙をやる。(その手紙に)「あのことやこのことを都合のよい時に時にやってのけ。忘れるな。」
などと言いやるのもおもしろい。
そのような旅先においてこそ、万事にわたって自然に気配りのされるものである。持っている道具までも、よいものはよく(見え)、芸能のある人や容貌の良い人も、いっもよりはいっそう優れて見えるものである。
寺や神社などに、人目を忍んでおこもりしているのも興趣がある。
词语解释:
1.いづく(何処):どのあたり。どのへん。哪里。
2.しばし(暫し):少しの間。ちょっとの間。瞬间。
3.心ち(ここち):感じ。気持ち。心情。
4.わたり(辺り):あたり。付近。附近。
5.かしこ(彼処):そこ。あそこ。那里。
6.見ありく(み歩く):あちこち見て回る。到处可见。
7.田舎ぶ(いなかぶ):田舎らしくなる。田舎めく。变成乡下似的。
8.いと:まったく。ほんとに。実に。完全,几乎。
9.目なる。(め馴れる):見て慣れる。親しく交わる。见了习以为常,亲密交往。
10.たより(便り):ついで、幸便。顺便。
11.便宜(びんぎ):都合がいい。よい機会。
12.忘る(わする):自然も忘れる。自然地忘记。
13.をかし:面白い、興趣がある。
14.さやう(然様、左様):そのよう。
15.よろづ(万):数の多いこと、いろいろなこと。
16.調度(てうど):身の回りに使う道具。
17.見ゆ(みゆ):見える。見られる。
18.忍ぶ(しのぶ):人に知られないようにする。人目にとまらないようにする。
19.こもる(籠る):神社や寺などに泊まって祈願する。
三.簡素な賢人の生活 简朴的贤人生活
人は己をつづまやかにし、奢りを退けて、宝をもたず、世をむさばらざらんぞ、いみじかるべき。昔より、賢き人の富めるは稀なり。
唐土に許由と言ひつる人は、さらに身にしたがへる貯へもなくて、水をも手して捧げて飲みけるを見て、なりひさこと言ふ物を人の得させたりければ、ある時、木の枝にかけたりけるが、風に吹かれて鳴りけるを、かしかましとて捨てつ。また手にむすびてぞ水も飲みける。いかばかり心のうち涼しかりけん。孫晨は冬の月に衾なくて、藁一束ありけるを、夕にはこれにふし、朝にはをさめけり。
唐土の人は、これをいみじと思へばこそ、記しとどめて世にも伝へけめ、これたの人は、語りも伝ふべからず。
自身质朴之人,拒奢华,疏财产,无世俗之欲望,为极优秀之品德。自古少见持有巨额财产而贤者。
中国有名许由者,一无身外之物,人见其以手捧水而饮,乃赠与一瓢。有时将其挂在树上,风吹瓢鸣,觉烦心而弃之。仍以手捧水而饮,可见其心中是多么清醇。又有名孙晨者,冬季无夜具,唯有藁一束,夜来入其中而卧,早上收敛。
中国人以其为品行高尚之士,载入史书,留传后世。然而此种人在我国却少有听闻。
翻译成现代日语:
人は自分の身を質素にし、ぜいたくをしりぞけて、財宝を持たず、世俗的な欲望をしいて持たないのがすばらしいことである。昔から賢人が財産をたくさん持っていたことはめったにない。
中国に許由という人だいたが、その人は、身につけて蓄えておくというものはまったくなくて、水すらも手ですくいあげて飲んでいた。それを見て、ある人がひょうたんというものを与えたのでありが、ある時、木の枝にかけておいた(そのひょうたん)が、風に吹かれて鳴ったので、うるさいといって捨ててしまった。また(もとのように)手ですくい上げて水を飲んだ。どんなに心のうちはせいせいしたことであろう。孫晨は冬の季節に夜具がなくて、わらが一束あったのを、夜はこのなかに寝、朝になると(これを)しまった。
中国のひとは、これらの人の品行をすばらしいと思ったからこそ、本に書き留めて後世へも伝えたのであろうが、日本の人は(もしそんな人があったとしてもそのすばらしさが分からないから)語り伝えるはずがない。
1.つづまやか(約まやか):質素だ。简朴。
2.退く(しりぞく):遠ざける。拒绝。
3.貪る(むさぼる):あくまでぼしがる。欲深く執着する。贪图。
4.いみじ:優している。たいしたものだ。优秀的。
5.唐土:古く、日本から中国呼ぶ称。
6.許由(きょいう):中国の古代伝説上の賢人.高士。本文の伝説は「蒙求」の「許由一 瓢」による。
7.さらに:まったく。完全。
8.したがふ(従ふ):身に付き添えう。添えて持っている。随身。
9.ささぐ(捧ぐ):ものを両手に持って高く上げる。两手捧着。
10.なりひさこ(生り瓢):瓢箪(ひょうたん)。瓢箪。
11.得指す(えさす):与える。给与。
12.かしかまし(貸かまし):やかましい。うるさい。厌烦。
13.捨てつ(すてつ):捨てる。舍去。
14.むすぶ(掬ぶ):手のひらで(水などを)すくう。手捧。
15.いかばかり:どのぐらい、どんなに。多么的。
16.涼し(すずし):気持ちがいい。心の中がさっばりしている。心中清醇。
17.ふすま(衾):かけ布団。寝具。卧具。
18.臥す(ふす):横になる。寝る。
19.をさむ(收.納む):しまう。隠しておく。收纳。
20.とどむ(止.留む):留める。留传。
2015.10.10.