幻のあいさつ
(2017-09-28 12:17:03)あいさつ
施 小煒
尊敬する総領事閣下
尊敬する総領事夫人
尊敬する御臨席のみなさま
こんにちは。
わたくしは、文学、とりわけ日本文学の研究?紹介を職業とするものであります。
そしてわたくしは、基本的に、文学、ひいては芸術?文化が、人類共有の財産だと認識しております。中国の文化は、全人類が共有すべき財産ですし、同様に日本の文化も、全人類が共有すべき財産であるはずであります。
ただし残念ながら、このような本来は人類が共有するはずの文化という財産を、真に共有することを阻む壁が存在します。それは、言葉という壁であります。
そこで、わたくしはこれまで仕事として、われわれの前に立ちはだかる、この言葉の壁を取り壊し、文学?文化を真に共有できるよう、努力してまいりました。
その結果、本日、ここにおいて、このような形を以て、わたくしのこれまでしてきた仕事が認められた、ということを、悟らせてくださいました。嬉しいことです。深く感謝いたします。
わたくしはこの嬉しい気持ちを、短歌にまとめました。拙いのを省みず、憚りながら勇気を奮ってご披露いたしましょう。いわく、
もろもろの
ふりそそぐもの
さくらぎの
はなとかがやく
こころのうちで
嬉しい心の中では、あらゆるわたくしの身に降りるものを、美しい櫻の花のように、光り輝くものと、見てしまうのであります。まことに、嬉しいことです。
ありがとうございました。