主たる契約に変更があれば、保証責任はどうなるのか?『法律記事スクラップ』第147期
(2024-12-18 14:13:13)分类: 法律记事 |
実務において買主が期日通りに支払いをしないことを懸念し、売主が買主に対し担保として抵当物の提供や、第三者による保証の提供を求めることも多い。買主が第三者による保証を提供したという状況下で、主たる契約に変更があった場合、保証人の責任は影響を受けるのだろうか?
これについては、状況毎に検討する必要がある。
一、保証人は変更後の主たる契約に基づいた債務について保証責任を負う。『民法典』第695条第1項には、「債権者と債務者が保証人の書面による同意を得ずに、主たる債権債務契約の内容を協議して変更し、債務を軽減した場合、保証人は変更後の債務に対して、引き続き保証責任を負う。……」と規定している。従って、変更が保証人の書面による同意を経ている、又は保証人の書面による同意を経ていないが、変更後に債務が軽減された場合に、保証人は変更後の主たる契約に基づいた債務に対して保証責任を負う。
二、保証人の保証責任は変わらない。『民法典』第695条第1項には、「債権者と債務者は、保証人の書面による同意を得ずに、主たる債権債務契約の内容を協議して変更し、……債務が加重された場合、保証人は加重した部分に対する保証責任を負わない」と規定している。従って、債務が加重された場合、保証人の保証責任は変わらず、元の保証範囲に限られる。但し、特定の事件では、主たる契約に基づいた債務の変化が債務の加重につながるか否かについての意見が一致しないこともある。例えば、(2021)最高法民再330号事件では、裁判所は「H銀行とA社が合意して借金の用途を変更した結果、債務者であるA社の債務が加重されておらず、保証人であるL社に損失をもたらさなかったため、保証人は残りの未返済分の元利に対して保証責任を負わなければならない」と指摘した。この事件では裁判所は「債務は加重されていない」と認定したが、もともと生産経営のために使われていた借金の用途が財テクや過去の未返済分の返済に変更され、かつ損失が発生した場合、裁判所は異なる判断を下す可能性がある。また、民法第695条第2項の「債権者と債務者が主たる債権債務契約の履行期間を変更し、保証人の書面による同意を得ていない場合、保証期間は影響を受けない」という特殊な状況もある。これにより保証人の責任が軽減されると考える人も少なくないだろうが、実際にはそうではない。履行期間の短縮は、債務者の資金調達期限が短くなることを意味する。必ずしも保証人が有利になるとは限らない。そのため、『民法典』では、誤解を招きやすい特別な状況について明確に記されている。
三、保証人は保証責任を負わない。主たる契約の変更により契約の基礎を失い、例えば社会事情の変更が生じた場合、保証人の書面による同意を得ずに、保証人が保証責任を負わなければならない可能性がある。例えば、『人民法院判例データベース』に掲載されている(2022)滬02民申159号事件の裁判要旨には、「民法典施行後、民法典第695条に基づき、返済口座の変更により債務の加重又は軽減をもたらすかを区分すべきである。変更後に不可分債務が加重された場合は、民法典第533条の契約基礎喪失の規則を適用すべきである。変更後に可分債務が加重された場合は、加重された部分の保証責任を免除する理由は他人による処分禁止である。変更後に不可分債務が加重された場合、全部の保証責任を免除する理由は取引基礎の喪失である。変更により保証の負担が影響を受けない場合は、保証責任範囲も影響を受けない」と指摘した。
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