扬州
痩西湖
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揚州でもっとも有名なのは、痩西湖である。字のごとく、「痩(や)せた西湖」。中国には36の「西湖」があるとされるが、細長い形をしたこの湖は、風光明美な景勝で知られる杭州の西湖に次いで美しい、といわれる。痩西湖は揚州城の北西に位置している。
湖面は、錦の帯のように曲がりくねって、所によって広くなったり狭くなったりしている。隋?唐の時代(581~907年)には、湖のほとりに沿って庭園が続々と建てられた。清の時代(1644~1911年)には、康熙帝と乾隆帝がそれぞれ六回も、揚州を経て江南を巡幸した。長さ4.3キロ、幅100メートルほどで、大きさはナゴヤドーム5個分。
隋の二代皇帝煬帝(569-618年)が農民を集めて作らせた北京と杭州とを結ぶ大運河につながっている。船は、もやが立ちこめた湖面を滑るように進んでいく。両岸には、春の芽吹きを控えた柳やアカシアの木々。ついさっきまで、耳をつんざいていた車のクラクションは、もう聞こえない。船が水をかきわけた時の、さざ波の音だけが静寂に響いた。
杭州の西湖に比べれば、痩西湖には枯れた味がある。曲がりくねった湖畔の小道の両側に、古典的な庭園が巧みに組合わされている。それらは互いに景色を借りあっており、庭園の中に庭園があったり、風景の中にまた別の風景があったりして、まるで立体的な山水絵巻のようだ。これが「長堤春柳」、「梅嶺春深」、「西園曲水」、「巻石洞天」、「四橋煙雨」、「白塔晴雲」などと呼ばれる有名な「二十四景」を構成している。
ここに遊ぶ人々は、湖に舟を浮かべたり、長堤をゆったりと歩んだりして、古人が何度も詠った詩の世界にひたることができる。現在、痩西湖は国家旅遊局から重点観光地に認定され、年間、120余万人の観光客が訪れている。
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