【对译】 赤い月のロゼ 赤月的罗斯 第1回 第2回
(2013-11-23 15:41:45)
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闪之轨迹赤い月のロゼ游戏 |
分类: 翻ヤク |
好久没翻译这种小说了,真没想到会这么麻烦。。若不是发在人多的地方,很可能坚持不下来,果然人都是很贱的,只有逼着才有效率。。
不说了,总之是完成了,时间精力有限,就这样吧。。发在这里的修改了一些错别字和手误等,本次翻译还是以准确为主的,如有错误,也欢迎路过的提出。
。。。。日,新浪博客居然也有字数上限。。。还得分开发。。还有每次发博文就会自动发在微博上。还得我自己删,难道不能取消吗。。。
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赤い月のロゼ
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【テキスト中に現れる記号について】
《》…ルビ
※底本の二重山括弧は、ルビ記号と重複するため、「〈」と「〉」に代えて入力しました。
|…ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
[#]… 傍点の位置の指定
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第1回 赤い月
歴史はおおよそ200年ほどの昔、中世の時代に遡る。
西ゼムリアの大国?エレボニア帝国で〈獅子戦役〉が終結し、その立役者であるドライケルス帝が没してから十数年の月日が流れたその時代。
帝都ヘイムダル。緋色のレンガを基調とした建物が建ち並び、〈緋の帝都〉の名を冠する美しくも伝統的な都市──その一角に存在する裏通りは、早朝から軍服に身を包んだ軍人たちが行き来し、注意しても解散しない野次馬たちも相まって、物々しい雰囲気に包まれていた。
騒ぎの中心には、若い女性が横たわっている。年齢は20代前半だろうか。彼女の肌はぞっとするほどに青白く染まっており、血の気は全く感じられない。
首筋には、濃く黒ずんだ赤の斑点が2つあった。それを見た壮年の軍人は、大きくため息をついて懐中時計を取り出した。
時間は6時を少し過ぎた頃だ。
帝都の治安維持部隊を任される彼は「身元の確認を急げ」と部下に指示を出すと、手際よく女性の遺体が運び出される。それを見送った先で、その行方を目で追う、見知った若き軍人の姿に気づく。
「アル──アルフォンス」
肩をポンと叩いて名前を呼ぶと、彼はようやく職務中だったことを思い出す。
「……すまない、おじさん」
慌てて意味もなく軍帽を整えたアルフォンスが申し訳なさそうに頭を下げる。その表情はなおも、何かを思いつめているように見える。
「仕事中は“隊長”と呼べって言ったろう」
冗談めかして笑うガラードは、とにかく今は集中しろと続けて他の隊員たちへの指示へ向かう。彼らしい、さりげない気遣いに感謝しつつ、アルフォンスは自分の持ち場に戻っていく。
現場の調査を行いつつその様子を見ていたのは、アルフォンスと同年代の若い軍人だった。彼は不機嫌そうな顔をさらにしかめて舌打ちをする。
近頃、帝都ではある連続殺人事件が起きている。被害者の多くは夜中に出歩く若い女性であり、死因は全て失血によるもの……すなわち、全身から血液が抜かれて、殺されてしまうのだ。
そして、見つかった遺体には必ずと言っていいほど、ある特異な痕跡が発見されていた。首筋に残された、“鋭い牙で咬みついたような跡”である。
その事実が人々の間に噂として流れると、帝国に伝わる“ある言い伝え”を誰もが思い浮かべた。
夜を闊歩し、人の血を糧として生きる不死身の怪異の伝承──。それになぞらえて、この奇怪なる連続殺人事件はいつしか、こう呼ばれるようになる。
『吸血鬼事件』──と。
◇
第1回 赤月
历史回溯到约200年前的中世纪。
西塞姆利亚大国•埃雷波尼亚帝国内《狮子战役》终结,彼时的中心人物德莱凯尔斯大帝过世十几年后的那个时代。
帝都海姆达尔。以绯红色砖石为基调的建筑物鳞次栉比,被冠以《绯之帝都》之名的美丽传统都市——然而就在这位于都市一角的后巷里,清晨起就有身穿军服的军人们往来穿梭,再加上那些被警告后依然不愿解散的围观民众们,使得整条小巷都被笼罩在一种森然的气氛里。
骚乱的中心位置,一个年轻女人横躺着。年龄大概20出头吧。她的皮肤呈现出令人毛骨悚然的苍白色,完全感受不到半点血气。
她的脖颈上有着两个已经发黑的红色斑点。看到这痕迹,壮年军人重重地叹了口气,掏出了怀表。
时间刚过六点。
负责管理帝都治安维持部队的他在对部下做出了“快去确认身份”的指示后,女性的遗体也干净利索地被搬走。在送走遗体的地方,视线随着遗体的去向移动,一个熟悉的年轻军人身影引起了他的注意。
“阿尔——阿尔冯斯”
拍了拍他的肩并叫了声名字后,他终于意识到现在还在执行任务中。
“……抱歉,叔叔”
毫无意义地慌忙整理完军帽,阿尔冯斯惭愧的低下了头。看那表情似乎依然在思虑着什么。
“不是说了工作时要叫「队长」嘛”
半开玩笑的调侃了一句,加兰德笑了笑,接着说了声“现在先集中精力工作吧”,然后就去指挥其他队员去了。一边在心中感谢着叔叔独有的,不露声色的关心,阿尔冯斯也开始返回自己的岗位。
一边做着现场调查,一边观望着那边情形的,是一位与阿尔冯斯年纪相仿的年轻军人。本就有些表情不悦的他,此刻更是皱起眉头咂着嘴。
这些日子,帝都里有一起连环杀人案正在发生。受害者多是半夜里外出走动的年轻女性,死因全是因为失血……也就是说,因被抽干全身血液而被杀。
而且,在被找到的遗体上可以说必然会发现一种特别的痕迹。残留在脖颈上的,“像是被尖锐的牙齿咬过的痕迹”。
这个事实作为流言在民众间传开后,所有人都不禁想到了在帝国流传的“某个传说”。
横行于夜间,以食人血为生的不死怪物的传说——。仿照此传说,这一离奇的连环杀人案不知何时起,有了这样一个称呼。
——『吸血鬼事件』。
◇
その日の夜、軍での『吸血鬼事件』の事後処理を終えたアルフォンスは、帝都の隅にある小さな宿酒場〈アレグリア〉で遅めの夕食をとっていた。
傍らでは、彼より少し年下の少女が心配そうに食事を見守る。
「アルくん……ど、どうかな? おいしい? 今日のは自信作なんだよ」
控えめな照れ笑いを浮かべる、栗色のポニーテールを下げた可愛らしい少女ルッカ。十年ほど前に帝都にやってきたアルフォンスの幼馴染である。
アルフォンスは彼女の熱心な視線に多少の食べにくさを感じてはいたが、口に運んだビーフシチューは素朴で、どことなく安心できる好みの味だった。
「ああ、旨いな。大分上達したんじゃないか?」
その答えにどこかほっとした様子のルッカは、他の客たちの目を気にしつつも思い切ってアルフォンスの向かい側にちょこんと座る。そして、嬉しそうに微笑む。
……が、すぐに間がもたなくなったらしく、「ええと、アルくん。最近、仕事のほうはどう?」などと無理やりに話題を作った。
最近の仕事──その言葉を聞いて、アルフォンスは食事の手をはたと止める。
俗に『吸血鬼事件』と呼ばれる事件において、犯人の手がかりは一切見つかっていない。昼間見た、女性の遺体の姿が浮かぶ──彼女にも家族や友人、愛する者がいただろう。これからだったはずの彼女の生涯は、突然閉ざされてしまった。断じて許されない。彼はこの事件にとことんまで拘っていた。そうするだけの理由が、彼にはあった。皮肉にも、彼は事件の調査隊からは外されてしまっていたが。
「アルくん……無理だけは、しないでね」
その言葉に、いつの間にか強張った表情になっていたことに気づくアルフォンス。事情を知る彼女に心配をかけてしまったらしい。アルフォンスは頭を掻いてから、安心させるように「ああ、大丈夫だよ」とだけ返した。
彼の所属する通称「ガラード隊」は、帝都の治安維持を任された帝国軍の部隊の一つである。アルフォンスは昔から父親代わりとして世話になっている男、ガラード──まさにガラード隊の指揮をとる男の勧めで軍に入り、その部隊に配属されたのだった。そして数年経った今も、詰所の近くにある寮で暮らしている。
酒場での食事を終えて、いつもの道順でそこを目指すアルフォンス。
空には不気味な赤い満月が出ており、緋色のレンガの街並みを妖しく照らしていた。
『吸血鬼事件』の影響か、最近は夜に出歩く者も少なくなっているように感じる。しかしそれでも、事件は毎夜のように起こっている。深夜巡回をしている軍人たちをあざ笑うかのごとく。
人々が感じている恐怖が日に日に増しているのを、彼は肌で感じ取っていた。
犯人は必ずこの手で捕まえる。心の中でそう唱え、決意する。
「……ん?」
ふと、足を止めるアルフォンス。暗い路地を、女性がたった一人で歩いていた。夜闇に紛れてよく見えないが、何やら覚束ない足取りをしており、そのままさらに暗い裏道へと入っていく。
『吸血鬼事件』が起きている今、無用心にも程がある──声をかけておくべきだろう。アルフォンスは女性を追いかけることにした。
薄暗く見えにくいが、裏道へと入ったところで先ほどの女性の背中を確認する。
「君、こんな夜中に──」
そこまで言って、アルフォンスは言葉を噤んでしまった。
こちらをゆっくりと振り向いた女性は──明らかに様子がおかしかった。その頭は力なく横に傾いており、長い髪が顔面に思 い切り垂れているのに払おうともしていない。髪の間から覗く目は虚ろに中空を見つめており、ぽかりと開いた口は声にならない呻きを漏らす。生気を感じさせ ない禍々しい雰囲気に、アルフォンスは思わず硬直する。
次の瞬間──虚ろな女性は両腕を突き出し、アルフォンスの首に掴みかかった。驚きのままに体勢を崩し、そのまま押し倒されるアルフォンス。彼に馬乗りになった女性は、おもむろに指に力を込めて彼の首を絞め始めた。
「ぐぁッ……!?」
それはあまりに凄まじい力だった。訓練を積んだ軍人である彼の力でも剥がすことができない。徐々に埋没していく指に呼吸を止められ、苦悶の表情を浮かべるアルフォンス。
顔面に垂れてくる髪の毛の、その奥に見える表情は青白く、まさに幽鬼を思わせた。そして、女は大きく口を開ける。口の端がぴりりと裂けたが、それすらも気にしていない。
──食事だ。
アルフォンスは意味不明な状況の中で、その行為の意味だけを直感した。必死に抵抗を試みるが、彼を捉える指の力はさらに増していく。腰に携えた軍用の剣《サーベル》を引き抜く余裕すらなかった。
虚ろな女は、喉仏を食いちぎろうと、勢いよく顔面を突き出す。
アルフォンスが、自分の死を覚悟した時──
目の前で、何かが炸裂した。
这天的夜里,在军队里完成了『吸血鬼事件』的事后处理的阿尔冯斯正在位于帝都某角落的小酒馆《alegria》里享用着有些迟到的晚餐。
旁边,一位比他年龄稍小的少女正有些不安的看着他吃饭。
“阿尔君……怎,怎么样?好吃吗?今天的可是我的自信作品哦”
脸上浮现些许羞涩笑容,留着栗色马尾的可爱少女露卡,是大概十年前来到帝都的阿尔冯斯的青梅竹马。#
在她热切的目光注视下,阿尔冯斯虽然多少感觉有些不好意思下口,但入口的炖牛肉却是口味淳朴,是他喜欢的那种,有着说不出来的安心感觉的味道。
“啊,很好吃啊。感觉进步了很多呢。”
得到这个答复好像有些安心了的露卡,虽然有些在意其他客人们的目光,却还是大着胆子轻巧的坐到了阿尔冯斯的对面。然后,开心的微笑起来。
……可惜,没坚持多久又变得不知所措起来,只好勉强找个话题,“那个,阿尔君,最近,工作方面怎样了?”
最近的工作——听到这句话,阿尔冯斯吃饭的动作突然停住了。
在俗称『吸血鬼事件』的案件中,还没有发现任何犯人相关的线索。白天见过的女性遗体的样子浮现在眼前——她也有自己的家 人、朋友,有心爱的人吧。她那才刚刚起步的人生,就这么突然的被终结了。绝对不可原谅。他之前一直执着于此次事件的调查。他有着必须这样做的理由。讽刺的 是,他却被排除在了事件的调查队之外。
听到这句话,阿尔冯斯这才意识到不知何时自己的表情都僵硬了。好像让了解自己情况的她担心了。阿尔冯斯挠了挠头,为了让她放心,只短短的回了句“啊,不要紧的”。
他所属的俗称“加兰德队”的部队,是帝国军中负责维持帝都治安的一支部队。阿尔冯斯是在加兰德——从很久前就代替父亲照顾他的男人,也正是加兰德队的队长——的推荐下加入了军队,并被分配到这支队伍里来的。直到几年后的今天,都还住在部队驻地附近的宿舍里。
在酒馆吃完饭,阿尔冯斯沿着一贯的路线向宿舍走去。
天上挂着有些瘆人的赤红色满月,月光映照在满是绯红色砖石的街道上,显得有些妖异。
也许是受『吸血鬼事件』的影响,感觉最近晚上外出走动的人似乎变少了。然而即便如此,事件还是几乎每晚都会发生。仿佛是在以这种方式来嘲笑深夜巡逻的军人们似的。
人们心中的恐惧正在与日俱增,他能切身感受到这一点。
一定要亲手抓住犯人。心里默念着这句话,他下定了决心。
“……嗯?”
突然,阿尔冯斯停住了脚步。阴暗的小巷里,有个女人正独自一人走在路上。夜晚的黑暗中有些看不清,只能隐约看见她迈着似乎有些不太稳定的步伐,就这样向着更加黑暗的小路里走去。
如今『吸血鬼事件』正接连发生,这也太不小心了——应该去提醒一下她。阿尔冯斯决定去追赶那个女人。
阴暗中很难看清,不过在进入小路后他还是发现了刚才那个女人的背影。
“喂,这么晚了——”
话说到这里,阿尔冯斯闭上了嘴。
缓缓转过身来的女人——样子明显的不正常。脑袋无力的歪在一边,垂散的长发把脸都遮住了也不知道拨开。发间露出的双眼呆滞的望着虚空,猛然张开的嘴里发出不似人声的呜鸣。感受着女人身上那令人感觉不到生气的诡异不祥氛围,阿尔冯斯不自觉地僵直了身体。
下一瞬间——没有生气的女人伸出双臂,抓向阿尔冯斯的脖子。惊慌中身体失去平衡的阿尔冯斯被就势推倒在地。骑在他身上的女人手指缓缓用力,开始掐他的脖子。
“呜啊……!?”
那力量实在太恐怖了。即便以他这样一个训练有素的军人的力量也无法掰开。呼吸被渐渐陷入肉里的手指阻隔,阿尔冯斯露出痛苦的表情。
穿过垂在脸前的头发,可以看到她苍白的脸色,宛如幽鬼。然后,女人大大的张开了嘴,就连嘴角噼啪的被撑裂也丝毫不在意。
——进食。
阿尔冯斯在这难以理解的状况中,唯有这个行为的意思凭直觉就懂了。他拼命的试图抵抗,然而制住他的手指的力量却再次增加了。他连抽出腰间军刀《Sabel》的余力都没有。
没有生气的女人猛地伸过脸来就要咬碎他的喉结。
正当阿尔冯斯有了死的觉悟的时候——
眼前,什么东西炸裂了。
第2回 吸血鬼を狩る者
一瞬見えたのは、幾何学的な模様だった。
ブーツの靴底だ。それが、アルフォンスの目の前を通過した。
それは、強烈な破壊音と共に、牙を剥く女性を吹き飛ばした。突然目の前の景色が夜空に切り替わり、体の束縛が解かれた。押しつぶされる寸前だった喉に空気が流れ込み、アルフォンスは思わず咳き込んでしまう。
「ご無事ですか?」
透き通った声──それは、すぐ傍らから聞こえてきた。
立っていたのは一瞬前までは確かにいなかったはずの人物。どうやら女性のようだ。
濃紺の外套に身を包み、同じく濃紺のベレー帽を被った服装。
首筋までかかるセミロングの金髪の下に、あどけなさを残しつつも凜とした顔立ちが見える。見た所、歳はアルフォンスと同じくらいのようだ。
しかし彼は、状況を全く把握できずにただ混乱するばかりだ。
女性は無表情でそれをじっと見ていたかと思うと、「ご無事のようですね。間に合って何よりです」と勝手に納得し、すぐに顔を背けてしまう。
彼女が視線を向けた先には、アルフォンスに襲い掛かった虚ろな女が仰向けに倒れていた。
「あれは屍人《グール》──吸血鬼に血を吸われて生まれた、憐れなもの[#「もの」に傍点]です。」
金髪の女性はそう言いながら、左側のブーツを地面に打ちつけ履き心地を確かめている。どうやらあのブーツで、虚ろな女──彼女が“屍人”と呼んだもの──の顔面を蹴り飛ばしたらしい。
……待てよ、今彼女は何と言った? ──吸血鬼?
「ぼーっとするのも結構ですが、できれば下がっていて下さい。邪魔です」
彼女の辛らつな言葉のあとに、何かが軋むような音が響き渡る。今まで倒れていた屍人が、無理な体勢から足だけの力で立ち上がろうとしていた。顔面を強烈に蹴られたにもかかわらず痛みを感じている様子はない。
次の瞬間、屍人は獣のように地面を蹴ってこちらに飛び掛ってきた。地面にへたり込んでいたアルフォンスは、咄嗟に立ち上がる。そして、彼女の盾となるため飛び出す──。
屍人が放った爪がアルフォンスに届く刹那、背にいた金髪の女性は落ち着いたまま外套の腰に手をやった。
そこから、すらりと何かが引き抜かれる。
それは刺突用の細身の剣──レイピアだ。刀身が美しい銀色に輝き、赤い月の光を反射する。そしてそれを、アルフォンスの背中側から、何の躊躇もなく突き出す。
切っ先は彼の首筋を掠めて、何の抵抗もなく、一瞬で屍人の喉を貫いた。
──剣が引き抜かれると、屍人はその場に倒れて動かなくなった。
それがさきほどまでまとっていた、禍々しいまでの気配は消え去っていた。
アルフォンスは、目の前で起こった事態に呆然とし、全く動けなかった。レイピアを掠めた彼の首筋には、薄く血がにじんでいる。
第2回 吸血鬼猎人
那一瞬间看到的,是几何图案。
那是长筒皮靴的鞋底。就是这东西,从阿尔冯斯的眼前掠了过去。
伴随着强烈的破坏声,已经露出獠牙的女人被踢飞了。眼前的景象骤然切换为夜空,身体的束缚也解开了。空气涌入差点被掐碎的喉咙里,阿尔冯斯不停的咳嗽起来。
“您还好吧?”
清脆的声音——从旁边很近的地方传了过来。
那里站着一位刚刚明明还不存在的人。似乎是个女的。
深藏青色的外套包裹全身,头上戴着同样深藏青色的贝雷帽。
披到颈后的半长金发下,是一张还留有些许稚气的凛然脸庞。看样子好像和阿尔冯斯差不多大。
然而完全搞不清状况的他却还处在混乱中。
女人面无表情的盯着他看了看,自顾自的说了句“看来您没事,还好赶上了”, 接着就把头转开了。
在她目光所向的地方,刚才袭击了阿尔冯斯的没有生气的女人正仰面躺倒在地上。
金发女人一边这样说着,一边用左侧的长筒靴敲击地面,调整着脚上的感觉。看来她就是用那只靴子把那个没有生气的女人——被她称作“尸人”的东西——的脸踢飞的。
……等等,她刚刚说什么了? ——吸血鬼?
在她辛辣的言语过后,一种好像什么东西在摩擦的嘎吱嘎吱的声音响遍了全场。刚才一直躺倒在地的尸人,正以一种违背常理的姿势,欲要仅凭双脚的力量站起来。脸部明明刚被强烈的一击踢中,却像是感觉不到疼痛一般。
下一瞬间,尸人如同野兽一般的猛踏地面飞扑过来。一直瘫坐在地上的阿尔冯斯猛地站起。接着冲出来挡在了女人前面——。
就在尸人的爪子即将抓到阿尔冯斯的那一刻,身后的金发女人从容的把手放到了腰间。
嗖地一下,什么东西被从那里抽了出来。
那是突刺用的细身长剑——刺剑。剑身闪着美丽的银色光辉,将红月的月光都反射。接着,女人就用这剑,毫不犹豫的从阿尔冯斯的背后刺出。
剑锋掠过他的脖颈,毫无滞碍地,一下刺穿了尸人的喉咙。
——剑拔出后,尸人当场倒地,不动弹了。
刚才还弥漫在它身周的不祥气息也消失了。
阿尔冯斯被眼前发生的事情惊得目瞪口呆,完全动弹不得。被刺剑掠过的脖颈处,还在微微的渗着血。
「下がっていてください、と申し上げましたが……どうやら聞こえていなかったようですね」
金髪の女性は呆れながらも、剣を振って屍人の血を払い、鞘に収める。
「もし聞こえていた上での行動でしたら、 あなたは度し難いまでの愚か者と言えますが」
澄ました顔で歯に衣着せず物を言う彼女に、アルフォンスはようやく自分を取り戻す。
「お、俺は君を助けようとしてだな……
いや、それよりもこの状況は一体なんだ!? 君は一体何者だ!? どうしてあの女性は俺を──」
──喰らおうとした? その事実は恐ろしく、とても口に出すのは憚られた。
そして、目の前にいる彼女が自分を助けたのも事実だ。“屍人”とやらを一突きにして……
様々な考えが頭を巡り混乱するアルフォンスを見て、「仕方ありませんね」とため息をつく金髪の女性。
「あなたは、見たところ軍の方のようですが、近頃帝都で起きている連続殺人事件……
『吸血鬼事件』を知っていますか?」
「あ、ああ、もちろん」
「では──その事件が、“本当に吸血鬼の仕業だ”と言ったら信じますか?」
「…………………………は?」
意味が分からない、と言った表情の彼をよそに、金髪の女性は地に伏した屍人を抱き起こした。その遺体は……とても安らかな顔をしていた。先ほどまでと同じ人物とは思えない。
「──ほらここ、見てください」
彼女は抱き起こした遺体の首筋を指す。そこには、2つの赤い斑点があった。それは、『吸血鬼事件』の被害者たちにあるものと、同様の痕跡であった。
「まさしく吸血鬼に咬まれた跡でしょう」
当然のように言われても。困惑してしまうアルフォンスだったが、金髪の女性は一切気にせず話を続ける。
「血を吸われ、命を落とした人間は屍人《グール》と化し、他の人間を捕食するようになります。
そして教会で祝福を施したこの剣によって、再び安息を与えられるのです」
彼女の言葉に、アルフォンスは先ほどの現実味の無い一連の光景を思い出していた。
教会、という言葉が少し気にはなったが、ひとまずそれは置いておくことにした。
「……本当に吸血鬼なんてものの仕業だというのか?そんな荒唐無稽な話を信じろと?」
「信じろとは言いませんが、事実です。誠に残念なことではありますが」
あくまで淡々とした語り口の金髪の女性。だが、言葉の通りであれば辻褄が合っていた。何より彼女の言葉には、真に迫るものがある。とても嘘を言っているようには見えない。
アルフォンスは、彼女の言葉を信じようとしている自分がいるのに驚いていた。
「吸血鬼は、確かにこの帝都のどこかに隠れているのです」
彼女は改めて語ったあと、そして──と、自分の胸に手を当てる。
「それを滅ぼすために、私はここに来ました」
“已经说过请退后了……看来您并没有听见呢”
金发女人一边露出愕然表情,一边挥剑甩落尸人的血,收剑入鞘。
“如果是在听到后还选择这样做,那你也算是个无可救药的傻瓜了”
眼前这完全不顾及对方感受,淡然说出刻薄话语的女人,终于让阿尔冯斯回过了神。
不,比起这个来,现在这究竟是什么情况!? 你到底是谁!? 为什么那个女人要把我——”
——要把我吃掉? 这个事实太过惊悚,实在是说不出口。
还有,面前这女人救了自己这也是事实。那个“尸人”什么的被她一刺就……
望着被脑中各种纷乱的思绪弄得有些混乱的阿尔冯斯,金发女人叹了口气,“真没办法啊”。
“你,看起来是军方的人吧,近期发生在帝都的连环杀人事件……『吸血鬼事件』,知道吗?”
“啊,啊—,当然”
“那么——如果我说这个事件「真的是吸血鬼所为」,你相信吗?”
“…………………………哈?”
不理会露出一副不解表情的阿尔冯斯,金发女将伏在地上的尸人抱起。那具遗体……表情很安详。难以想象与刚才会是同一个人。
“——喏,看这里”
她指着被抱起的遗体后颈说道。那里有两个红色的斑点。那是与其他『吸血鬼事件』的受害者们身上发现的印痕相同的痕迹。
“这不正是被吸血鬼咬过的痕迹吗”
就算你说的这么理所当然……。面对陷入困惑的阿尔冯斯,金发女人却丝毫不予理会,自顾自的接着说道。
“被吸血后,失去生命的人类会变成尸人,去捕食其他的人类。
而我则借助这把在教会接受过祝福的剑,再次给予他们安息”
女人的话语,让阿尔冯斯想起了刚才那一连串超现实的景象。
教会,这个词也让他有些在意,不过姑且先放一边吧。
“没要你相信,但这就是事实。虽然非常令人遗憾”
金发女人还是一如既往的平淡语气。然而,如果事实真如她所言,那么一切都是合乎逻辑的。更重要的一点,她的话语真诚让人信服。怎么看也不像是在说谎。
阿尔冯斯惊讶于自己已经有些相信她的话了。
“吸血鬼,的确就在这座帝都的某个地方潜伏着”
认真重申了自己的观点后,她接着说道,“而”——说着,她把手平放到胸前。
“正是为了消灭它,我来到了这里”
しばらくの沈黙がその場に訪れる。
金髪の女性は、それを見てまたも勝手に納得した様子を見せた。
「……まあ、本来世俗の方が関わる話ではありませんし、さっさと忘れてしまわれることをお勧めします」
そして「できれば他言無用に願います、では」とその身を翻す。
「──待ってくれ」
アルフォンスは、意を決した表情で彼女を呼び止めた。
「俺に、君の手伝いをさせてくれないか?」
彼女はぴた、と足を止める。
殆ど無表情だった彼女もこの発言には驚いたらしく、翻していた身体をゆっくりとこちらに向けた。
「……それはまた、突拍子も無いご提案ですね。どうして私が、あなたに手伝われなくてはならないのですか?」
あくまで辛らつな彼女だったが、アルフォンスは静かに瞑目して答える。
「十年ほど前……俺の両親は殺された。──今起きている『吸血鬼事件』と同様の手口でな」
「…………!?」
彼女は先ほどよりも眉を上げて、さらに驚いた様子を見せる。構わず続けるアルフォンス。
「俺もその時のことは、あまり詳しく覚えていない。だが……脳裏に焼きついている」
言葉にした瞬間、その光景はあまりにも鮮明に、彼の脳裏に浮かびあがった。
十年ほど前、アルフォンスの一家は帝国の辺境の村に住んでいた。彼の父は帝国軍に所属し、近隣に駐屯する部隊に勤めていたが、大きな事件も起こらず家族は平穏に暮らしていた。
そんなある日、遊びに出ていたアルフォンスが家に帰ったところで、発見したのだ。
──血に塗れた部屋に横たわる両親を。
その遺体からは全身の血液が抜き取られていた。そして、その首筋には“咬み跡”が残されていたのだ。
あまりに猟奇的で凶悪な事件であり、当時も“吸血鬼の仕業”などと嘯かれる中、軍による捜査が行われた。しかし、結局犯人に繋がる手がかりは見つからず、事件は迷宮入りとなった。孤独の身となった幼少のアルフォンスは、父の同僚で無二の友人であったガラードに引き取られ、帝都にやってきたのだった。
彼女の言うとおり“吸血鬼”が本当にいるのだとしたら、自分が直面した事件は……可能性はゼロではない。それは彼女も気づいているようだった。
「……いや、例え過去の事件が“吸血鬼”の仕業じゃなかったとしても……
この事件を解決すれば、俺の過去に区切りをつけられる気がするんだ。
だから……」
その場に再び、長い沈黙が訪れた。金髪の女性は、しばらく何かを考え込んでいる。
アルフォンスは、ただ彼女の次の言葉を待っていた。
そして──ため息が一つ、その場に小さく吐き出される。
「……軍に所属しているあなたなら、事件の情報を手にいれ易いでしょう。
吸血鬼を見つけるために、協力していただくのは手かもしれませんね」
そう言った彼女は、懐からおもむろに何かを取り出した。銀色の短剣……その煌きは、彼女の持つレイピアによく似ている。
「屍人や吸血鬼と戦うことができる武器です。協力していただけるなら受け取ってください。
──ただし、自分の身は自分で守ってください」
彼女の表情に、アルフォンスは自分に求められているものを悟った。
それは──揺るぎない覚悟。再び先ほどのような屍人と相対する覚悟。
帝都に潜む“吸血鬼”を、必ず滅ぼすという覚悟──だが、彼の答えはすでに決まっていた。
「俺はアルフォンス──知り合いはアル、と呼ぶ」
決意と共に重い短剣を受け取り、自己紹介をするアルフォンス。
金髪の女性は空になった手のひらを見ると、少しだけ無表情を崩して口の端を持ち上げた。そして外套の下のスカートを持ち上げつつ、恭しくお辞儀をする。
「ロゼ──と言います。
しばしの間よろしくお願いします、アル」
场间一时沉默。
金发女人见此情景,又自顾自的说道。
“……嘛,这本来就不是世俗之人应该接触的世界,建议您还是快些忘掉吧”
接着又道,“可以的话此事请勿外传,再见”,说着转身欲走。
“——等一下”
阿尔冯斯带着下定了决心的表情叫住了她。
“能让我,做你的帮手吗?”
女人突然停住了脚步。
几乎从来都是面不改色的她似乎也被这句话惊到了,已经转过去的身体又慢慢朝这边转了回来。
“……这还真是一个出人意料的提案呢。为什么我会需要你的帮助呢?”
面对依然言语刻薄的女人,阿尔冯斯闭上双眼静静地答道,
“大概十年前……我的父母被杀了。——和现在正在发生的『吸血鬼事件』用的是同一种手法”
“…………!?”
女人的眉毛比刚才又抬高了些,显得更惊讶了。阿尔冯斯并不理会,接着说道。
“那时的具体情况,我也记不太清楚了。不过……那一幕却深深印在我的脑中”
话出口的瞬间,那时的景象已经无比清晰地浮现在他脑海里。
大约十年前,阿尔冯斯一家住在帝国边疆的村子里。他的父亲虽说也是帝国军人,在附近驻扎的军队里服役,可也没有什么大事发生,一家人就这么安安稳稳的过着日子。
就在这样的某一天,出去玩的阿尔冯斯回到家时,看到了那一幕。
——染满鲜血的房间里横躺着的父母。
遗体全身的血液都被抽走了。而且,后颈处还残留着“咬痕”。
因为案情过于猎奇凶恶,当时也有人妄言是“吸血鬼所为”,军方随即展开了调查。可惜,最终却没有找到犯人相关的线索,案子也只能不了了之。变成孤单一人的年幼的阿尔冯斯,被父亲的同事、也是最好的朋友加兰德领养,跟着他来到了帝都。
如果如她所言“吸血鬼”真的存在的话,那么自己曾亲身经历的事件……可能性也不是没有。这一点她似乎也意识到了。
“……不,即使过去的事件不是“吸血鬼”所为……
只要解决了这个事件,我想我对自己的过去也算有个交代了。
所以……”
场间再次迎来了长久的沉寂。金发女人也暂时陷入了沉思。
阿尔冯斯默默等待着她的回答。
最终——场中传来一声轻轻的叹息。
“……有了隶属于军队的你,收集事件的情报应该会比较容易吧。
为了找到吸血鬼,请你协助也算是一个办法吧”
说完,她从怀里慢慢取出来一样东西。银色的短剑……那闪烁着的光芒,与她所持的刺剑很相似。
“这是能用来跟尸人和吸血鬼战斗的武器。如果同意协助我的话就请收下它吧。
——不过,请你自己保护好自己。”
从她的神情里,阿尔冯斯领悟到对方希望自己拥有的东西。
那是——坚定的决心。再次正面面对刚才那种尸人的决心。
定要消灭潜伏在帝都的“吸血鬼”的决心——不过,他的心中早已有了答案。
带着决心接过短剑,阿尔冯斯作了自我介绍。
金发女人望了望空空的手掌,嘴角翘起微微展颜,然后一边提起外套下的裙角,一边庄重地行礼说道。
这段时间还请多关照了,阿尔”