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小耗子-平平安安
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『愛なんていらねえよ、夏』◆台詞〔第5話~第6話〕

(2008-06-21 11:00:04)
标签:

渡部笃郎

广末凉子

藤原龙也

娱乐

分类: ♂♀大爱日剧♀♂
●第5話(優しすぎる嘘)の(1)
亜子 :「…落としちゃったみたい。…誕生日のプレゼント。落としちゃったみたい。……ごめん。…あげたかったのに。(一筋の涙がこぼれ落ちる)ごめんなさい。…ごめん」

 レイジは動揺し思わず立ち上がる。

レイジ:「そうか、プレゼント、買いに行ってくれたんだ、俺の」
亜子 :「…ひとりで、…自分ひとりで買いたかった。…でも、…肝心な物なくしてちゃ、だめだね」
レイジ:「そんなことないよ。その、気持ちだけで、じゅうぶんだ」
亜子 :「届かないプレゼントなんて意味ないもん」
レイジ:「だから、届いたって。おまえの気持ちは、じゅうぶん俺に届きました」
亜子 :「……お兄ちゃん」
レイジ:「ん?」
亜子 :「…ありがとう。…あたしね、見えなくて、すごいいやだし、すごい悔しい。でも、そんなことばっかり思っててもしょうがないんだって。ちゃんと、前向いて、生きていかなきゃって。…弱虫な妹だと思われるのは嫌だし。だから、…ありがとう。……それで?」
レイジ:「…ん?」
亜子 :「あたし、なんで倒れたの?」

 その夜、鷹園家での話し合いの結果、主治医の今野に再検査をしてもらうことなる。

 亜子が病院から自室にもどるとスーパーボールがなくなっている。亜子がひとりでレイジへのプレゼントを買いに外出したとき、咲子が窓から投げ捨てたのだ。レイジに探してもらうが見つからない。

亜子 :「だめ! いっしょに取ったボールじゃないとだめ」
レイジ:「そうだね、じゃさ、またあとで探そう」

季理子が玄関にやってくる。レイジと亜子たちが玄関ホールにつづく階段を降りてくる。

季理子:「レイジさんにお誕生日のお祝いのお届けです」「あたしからじゃないんです。あたしはただ届けに来ただけ」
奈留 :「じゃあ、だれがこんなすげえ花束」
季理子:「栞さんからです。…おめでとうって伝えてくださいって」
レイジ:「ああそおお」
奈留 :「へえ栞さん、やるねえ。情熱の赤いばらじゃん」

 季理子も交えて食堂で昼食をとっていると、亜子が早々と席を立ってしまう。レイジが後を追う。

レイジ:「亜子、どうした、具合でも悪いか?」
亜子 :「主役がぬけてきちゃまずいんじゃないの?」
レイジ:「主役? ああ誕生日ね。この歳になって、誕生日つっても別になぁ」
亜子 「それって、プレゼントなくしちゃったあたしに気いつかって言ってる?」
レイジ:「んなわけないしょ。気にすんな」
亜子 「そうだよね。…もうちゃんとばらの花束とかもらっちゃってるからいいよね」

亜子 :「……誰? 栞さんて」
レイジ:「…おまえさ、彼氏を追求するような言い方すんな。単なるお客さんだよ、取引先の人」
亜子 「お客さんが、そんなすごい花束プレゼントしちゃたりするんだ」
レイジ:「うん、つきあいってやつでな。あ、じゃあさ、そんなに、気になるんだったら、もらうよプレゼント。…ね、たとえばさ、じゃどうしようか、おまえのさ一番好きな場所とかに連れてってよ。…それがプレゼント」

 亜子はレイジを喫茶店ナイルに連れてゆき、紅茶をプレゼント。

 亜子がマスターの娘に25歳のレイジの歳を聞くと30と答える。

亜子 :「やっぱり老けて見えるんだ」
レイジ:「え、なにやっぱりって?」
亜子 :「たった三つしか違わないのに、なんか大人な感じがする。…もっと若くてもっと困るかと思ってた」
レイジ:「ん、困る?」
亜子 :「ほら、いきなり、目の見えない妹抱え込むことになって困るかって」
レイジ:「なんで困るんだよ、家族じゃない、ね、それはさ、最初はねちょっと驚いたけどさ。困るとかそういうわけないでしょ」
亜子 :「……パパは困ってた。どんどん目が見えなくなってって、いらいらしているわたし見て困ってた。だからどうしていいかわからなくて、咲にわたしのことまかせたの。…咲は他人だから、だから別に困ってなかった。困ってるパパといっしょにいるより、他人の咲にあたってるほうが楽だった。…だから、家族なんていらないって思った。…お母さんだって、お兄ちゃんだけ連れて、わたしのこと捨ててったわけだし、…家族なんて、大嫌いだった」「うれしかった。家族なのに、わたしのこと困ってないお兄ちゃんで」

 レイジと奈留の部屋。

奈留 :「ねえ季理ちゃん」
季理子:「ん?」
奈留 :「(ばらに触れながら)なんで栞さんからなんて言ったのこれ」
季理子:「レイジが、自分は歌舞伎町のろくでもないレイジだってことを忘れないようにと思って」
奈留 :「やっぱり季理ちゃんも気になってるんだ」
季理子:「芝居でも気持ち悪い。レイジがいいお兄ちゃんなんて」

 レイジと亜子がナイルのマスターからバーベキューに招待される。

 楓がやってくると、数人の男友だちがしつこく亜子に声をかけてくる。楓が無理矢理男たちを連れ去る。

亜子 :「楓ちゃんは言いました。あの子は目が見えないの。男たちは驚いてその子を見ています。隠れるようにこそこそと」
レイジ:「別に悪気ないだろう」
亜子 :「悪気ないほうが、いやらしいことだってあるよ」
レイジ:「そうやって生きてきたんだ。…見えない目でにらみつけて。…そうやって自分のこと守ってきたんだ」
亜子 :「……でも、…でもときどき疲れて、…すごく疲れて、…こんなんだったら、あのときどんなに危険だって言われても手術受けておけばよかったって、…それでもし死んでも、それはそれで楽だったのかもって、…死んだほうが幸せだったのかも知れないって、…お兄ちゃんに会ってなかったら、今もそう思ってたかも」

亜子 「…今はね、…怖い。…生きててよかったーって思う。」


●第5話(優しすぎる嘘)の(2)
 レイジと奈留の部屋。
 
奈留 :「あのさ、亜子ちゃんの命はあと半年あるかも知れないけどね、レイジさんはお金返せなかったらあと一か月ちょっとの命なんだよ」
レイジ:「…知ってるよ」
奈留 :「だったらさ、さっさとおまえは死ぬって言って自殺に見せかけてさあ、もっともっと」
レイジ:「俺さ、自分がね死ぬ気がしないの。この地球上でさ、なんか、俺以外の人間が全員死んでもね、なんかね俺、死なない気がすんの」「なんかさ、実感ないんだよね。生まれてきたことも、死んでくことも。真冬の雪ん中でさ、へその緒つけたまま、凍りついちゃったんだろうね、そこらへんのこと。…生まれるってのはさ、そんなに希望に満ちたことなのかい、ねえ? 死んでくってのは、そんなに、怖いことなのかな」
奈留 :「レイジさん、なんか変だよ」「亜子ちゃんが死ぬことがそんなに気になっちゃってるわけ? 冗談でしょ? あんたが殺そうとしてる子だよ。あの子が死ななかったらレイジさんが死ぬんだよ。絶対死なないっていうレイジさんがさ。それをさ、なに、なにあれ今日だって床はいつくばって、必死に安物のスーパーボールなんか探しちゃってさ、なにお兄ちゃんの芝居に酔っちゃってるわけ? もう芝居なんかいいじゃん。さっさとゲーム進めようよ」
レイジ:「……ね奈留奈留ね、おまえがさ、いらつくほど俺の芝居は完璧なわけだ。…俺にもな一個だけ、はっきりわかっていることがあってさ。弱い者は死んで、強い者が、生き残るってね」「季理子と手分けして、睡眠薬、手に入れられるだけ手に入れとけ」
奈留 :「そうこなくっちゃね」
レイジ:「寝よう」

 レイジはベッドルームに入ると、あの指輪がはいっている革袋をベッドにたたきつける。

 亜子が再検査を受けている。

レイジが病院の廊下を歩いている。背後をストレッチャーが走る音がする。愛したひとを思い出す。亡くしてしまった栞。あのときも俺は病院にいた。

 再検査は終了。結果は前と同じだった。病室の亜子が杖を持とうとすると二回とも指からこぼれ落ちてしまう。

レイジがやってくる。

亜子 :「問題なし? 検査結果」
レイジ:「うん、全然問題なし」
亜子 「…そぅ、よかった」
レイジ:「お腹すいたろ、なんか食べて帰ろうか」

 レイジが杖を亜子の手に握らせようとすると、亜子はレイジの両腕をつかむ。

レイジ:「亜子」
亜子 :「言って! …本当のこと言って。……病気、…再発してるの?」

亜子 :「……お兄ちゃんから聞いたなんて言わないから。…みんなが嘘つくつもりなら、あたしも合わせてちゃんとお芝居するから」

亜子 :「お願い、ほかの誰が嘘ついても、…お兄ちゃんだけは嘘つかないで」
レイジ:「神様は、残酷だよな。…おまえの目から、光を奪っといて、…今度は、その命まで奪おうとしている。…おまえに残された時間は、…あと半年だ」

 亜子は気を失う。レイジは強く亜子を支える。亜子は力をふりしぼってレイジから離れる。

亜子 :「神様は残酷? 違うよ。神様は、いないだけ」

亜子 「…杖、取って。(レイジが杖を握らせる)ありがとう」
レイジ:「強いんだな」
亜子 :「…お兄ちゃんの妹だもん」

 レイジと奈留の部屋。

レイジ:「睡眠薬あつまったの?」
奈留 :「睡眠薬100錠分の威力。楽に死ねるよ」
レイジ:「どうした、それ」「タクローか? あいつがおまえに渡したのか」
奈留 :「違うよ。ほら、俺からレイジさんへの一日遅れの誕生日プレゼント。俺だけまだ、あげてなかったからね」

 花の世話をしている亜子。

 奈留がカプセルを一つレイジの手に握らせると、亜子が「お兄ちゃん」といいながらはいってくる。奈留は「レイジさんも、仕事がんばってね」と耳元でささやいて出てゆく。

レイジ:「どうした」
亜子 :「(スーパーボールを差し出しながら)これ」
レイジ:「見つかったのか」
亜子 :「……部屋のどこにもないからもうあきらめてた。…誰かが、あたしの大事なもの持ってっちゃたんだって。…誰かがあたしに意地悪してるんだって。…でもそんなことどうでもよかった。…だって、あたしもう死んじゃうんだもんね。このボールあきらめるみたいに、自分のこともあきらめようって」

亜子 「…お兄ちゃんのおかげで取れたボールも、お兄ちゃんのおかげで、がんばろうって思えた自分も、…みんな夢だったんだって、…それなのに、…それなのにみつかっちゃった」

亜子 :「…もうあきらめようって思ってたのに、…見つけちゃった。……なぜ」

亜子 「助けて! 助けて! 死ぬのなんて嫌だ。…怖い! (奈留が階段の途中に座り込んで聞いている)怖いよぉ! …お兄ちゃん怖い。…死にたくない。死ぬのなんて嫌だ。お兄ちゃん! なんであたしばっかりこんな目に遭うの。…助けてよ。あたしを助けて」
レイジ:「……助けてやるよ。……お兄ちゃんが、助けてやる」
亜子 :「本当?」
レイジ:「……(亜子の目を見ながら)おまえを、その苦しみから救ってやる。(左手でカプセルを握りしめる)…俺が、…救ってやる」
亜子 :「(顔をレイジの胸に沈めながら)お兄ちゃん!」


●第6話(余命半年!? 生きることをあきらめるな!)の(1)
亜子 :「死にたくない。死ぬのなんて嫌だ」
レイジ:「お兄ちゃんが、助けてやる」
亜子 :「お兄ちゃん!」
レイジ:「見つけよう。……おまえを、このまま死なせる医者じゃなくてさ、おまえのこと、助けてくれる医者、探そう」
亜子 :「それでも、だめだったら?」
レイジ:「俺は、あきらめないよ。最後まで。(こぼれたスーパーボールを亜子の手に握らせる)だから、おまえもあきらめるな」
亜子 :「でも、…でもどうしても怖くなったら? …怖くて気が狂いそうになったら? …ねえ!」
レイジ:「……おまえが、怖くならないように、いっしょにいるから」
亜子 :「……ありがとう」
レイジ:「……そうだ。お兄ちゃんから、お守りあげよう」
亜子 :「お守り?」

 レイジが咲子と真壁、そして五十嵐に病院を替えると言い立てている。

レイジ:「亜子はわかってましたよ。このままだったら、死ぬだろうって。このままだったら、光だけじゃなくて、すべて失うんだろうって」
真壁 :「ちょっと待ってくださいレイジさん。まったく可能性がゼロってわけじゃないんですよ」
レイジ:「そうだよね。ゼロじゃないよね。でもその、今野っていう医者はさ、ゼロを十にしかしてくんない。しかも後遺症つきだよ。話になんねえよ。俺と亜子は、…ゼロを百にしたいんだよ!!」「ガンの患者がね、もう、病院じゃ手の施しようがないって言われたガンの患者がさ、あと一か月って言われた人間がね、もうそれ以上何もしてくれない病院出てね、東洋医学、漢方、民間療法、とにかく、ありとあらゆることしてさ、結局そのあと、二年、生きた。俺の知り合い。家族も協力してさ、友だちも協力してさ、みんな必死だったよ。でも、本人が、誰より必死でね、だからそういうの伝わるんだよね、まわりにも神様にも。…その人は、最後に、“ありがとう”って、笑ってたよ。…俺は、俺は二年でもやだよ! 俺は、亜子を死なせない!! …俺と亜子は、必死にあがいてみせるよ。だから病院も替わる」
五十嵐:「じゃあ礼慈さんは、ゼロを百にする病院を、医者を知っているって言うんですか?」
レイジ:「心当たりは、あります」
咲子 :「誰です? どこの病院です?」
レイジ:「西新宿病院の、須之内っていう医者です」

 亜子の部屋に楓が点字本を持ってくる。

楓 :「つぎ、なんの本にする? 亜子ちゃんのほうでとくになければ、何か面白そうなの探しとくけど」
亜子:「もういい」
楓 「え?」
亜子:「今までありがとう。でももういいの」
楓 :「どうしたの、亜子ちゃん。…今、下で病院がどうのって言ってたけど、亜子ちゃん、また具合悪いの? …そうなんだ。(にやっと笑いながら)かわいそう」

 亜子が花壇に水をやっていると季理子がアイスキャンディを持ってくる。

亜子 :「おいしかった」
季理子:「あ、ちょっと見して。(アイスの棒を見る)あ、当たりだ」
亜子 :「本当?」
季理子:「うん。やったじゃん。小さなしあわせおめでとう」
亜子 :「小さなしあわせ?」
季理子:「レイジってさ、昔からこれのくじ運強くてさ、当たるとあたしにくれるんだよね。…小さなしあわせやるよって。…で、隣でお姉ちゃんが“あたしには?”ってふくれてんの。…いいじゃんねえ、お姉ちゃんはレイジから大きなしあわせもらってんだから」
亜子 :「…お姉さん?」
季理子:「うん。ほら、お誕生日の日、あたしがばらの花束持ってきたじゃない。あれ、お姉ちゃんから」
亜子 :「栞さん?」
季理子:「そう。レイジの恋人」
亜子 :「そうなんだ」
季理子:「あれ、聞いてなかった? …なんだ、レイジって亜子ちゃんになんでも話してると思ってた。ぁ、でも、日浅いもんね、ふたり」「でもよかった、レイジも。亜子ちゃんに会えて。でなかったら、結婚式に出席するレイジの親族、ゼロになるとこだったもん」
亜子 :「結婚、するんだ」

 レイジがやってくる。

レイジ:「どした?」
亜子 :「ううん、別に」

 レイジが五十嵐から依頼された2000万円の話を亜子にする。

 甘味処で五十嵐と咲子が話している。

咲子 :「3000万を?」
五十嵐:「ええ。さっき銀行に確認したら、確かに。……病院のことのほうは?」
咲子 :「真壁さんに調べてもらってます」
五十嵐:「まずいですよね。病院替わるために、カルテとか検査結果とか、今の病院から持ち出されたら」
咲子 :「しっかりしてちょうだい。あのときあなたもいっしょに決めたのよ。亜子ちゃんに嘘つくこと。…今さら半年前に引き返すことは出来ないの」
五十嵐:「前へ進むしかないですよね」

 銀行からの帰り道。

亜子 :「病院じゃないところに行きたい」

亜子 :「お兄ちゃん、あたし夏休みが欲しい」

亜子 :「あたし、やりたかった事っていっぱいある。行ってないとこだったいっぱいある。そういうのみんな、夏休みにやるんでしょ。夏休みに行くんでしょ。計画立てるの楽しくて、行ったらもっと楽しくて、そういうののためにバイトとかしたりして、…あたし、お金はあるのに、…そういうのは無かった」
レイジ:「そっか、ようし、じゃ、どこ行こうか」
亜子 :「バイク、乗りたい」

 レイジと奈留の部屋。

奈留 :「なにすんのバイク」
レイジ:「亜子と二ケツ」
奈留 :「またそんなのんきなこと言っちゃって」
レイジ:「無いんだよ十億」
奈留 :「え?」
レイジ:「銀行行ってね、通帳見たらさ、現金は、三億どまり」
奈留 :「嘘!」
レイジ:「本当」
奈留 :「どうすんの?」
レイジ:「さっさとね三億いただいて、それ元手に、残り、四億三千万稼ぐしかねえだろ」
奈留 :「ああ、それでバイク、事故らしちゃうとか」
レイジ:「ぅん、ともかく、時間ないからさ、バイク」
奈留 :「はい」

 亜子が点筆で点字を打っている。「サイゴノナツヤスミ」


●第6話(余命半年!? 生きることをあきらめるな!)の(2)
 レイジが亜子の手をとってバイクに触らせている。

レイジ:「俺ちょっと、この辺ならしてくるから、奈留とここで待ってて」
亜子 :「わかった」

奈留 :「なんで急にバイクなんて言ったの?」
亜子 :「…あたしね、自転車にも乗れないの。…乗り損ねたら、見えなくなっちゃって、だから、風切って走ったことってなくって、気持ちいいだろうなって、そうだ、この際だからやりたいこと全部やっちゃおうって、ほら、あと半年しかないし」
奈留 :「…亜子ちゃん、強いんだね」
亜子 :「あきらめてるだけ」
奈留 :「でも強いよ」
亜子 :「…お守り、もらったから、お兄ちゃんに」
奈留 :「お守り、どんな?」
亜子 :「…どうしても怖くなったら、自分で楽に死ねる薬。…カプセルのね、たぶん風邪薬かなんかだと思う。でも、あたしにとっては、大事なお守りなの」

 レイジのバイクがもどってくる。

 車で花を配達中の季理子は、亜子を乗せたレイジのバイクがすれ違うのを目撃する。海辺についたレイジと亜子は海の家(浜茶屋)にはいる。亜子は焼きそばを食べている。

亜子 :「蛍の川。憶えてない? 小さいころ行った」「ほら、お兄ちゃんが蛍捕ろうとして川に落ちちゃって」
レイジ:「あ~ぁぁ、なんかあったねぇ」
亜子 :あれがあたしの憶えてる、お兄ちゃんとの最後の夏休みだったな。…中二のときくらいまではね、(焼きそばを口にしながら)毎年見に行ってたの。最後のほうは、ぼんやりとしか見えなくなっちゃってたけど、それでもすごいきれいで、なんか急に、お兄ちゃんが川に落ちたこと思い出して、あともう見れなくなるのかなって思ったら、…泣いちゃった」

亜子 :「お兄ちゃん、あたし、五十嵐さんにプロポーズされたみたい」
レイジ:「みたいって? あっそう」
亜子 :「変だよね、死んじゃう人間にプロポーズなんて。…やっぱり会社のこととかあるからかな」
レイジ:「そういう考え、よくないんじゃないかな。だって、五十嵐さんさ、いい人みたいだしね。…で、おまえはどうなの」
亜子 :「……見てみたい? 妹の花嫁姿、親族の席で一人で」
レイジ:「…かわいいだろねぇ」
亜子 :「……そっか」

 夜、バイクを飛ばして、奈留に聞いた蛍の川にむかう。

亜子 :「ここ、どこ?」
レイジ:「昼間、おまえが言ってた、蛍の川」
亜子 :「ほんと?」
レイジ:「ああ。…蛍、いっぱいいるぞー」
亜子 :「……いるの?」
レイジ:「ああ、いるよ。…何匹も何匹も光ってるよ。……ああ、飛んだよ」
亜子 :「きれえ?」
レイジ:「ああ、きれえだよ」
亜子 :「…ふわって飛ぶんだよね」
レイジ:「だから捕れる気がしたんだろな、ガキのころは。……亜子の、ちょうど、目の前あたりに、一番たくさんいるよ。…いっしょうけんめい光ってるよ」
亜子 :「…見えないけど、いるんだよね」
レイジ:「ああ」
亜子 :「…そうやって、…どうしてお兄ちゃんはあたしに優しい嘘つくの」
レイジ:「……いや、だって、いるもん、いるよ蛍」
亜子 :「蛍は、梅雨が明けるまで。紫陽花が咲いて、枯れるまでの間にしかいないの。……あたしが、あたしがこんなでかわいそうだから嘘つくの? だから栞さんのことも、お客さんだなんて嘘ついたの? …かわいそうな妹にはお兄ちゃんしかいないから、…だから恋人のことも隠すの? …隠さないでよ。嘘つかないでよ。どんな優しい嘘でもね、やだよ。…信じさせてよ。見えないんだからちゃんと信じさせてよ」

 沈黙するしかないレイジ。なにげなく視線を変えると光るものがひとつ浮かんでいる。蛍だ! レイジは川の中にはいっていく。捕まえようとするが捕まらない。川の中でいつまでも音がしている。

レイジ:「……亜子! 蛍まだいるよ。…まだいるって」
亜子 :「もういいよ。やめてよ。捕まえられなかった、あのときのお兄ちゃんでいいよ。…あのときのお兄ちゃんでいてよ」
レイジ:「……いまね、捕まえたんだよ、ほんとに」
 
 亜子のまわりを蛍が一匹飛んでいる。

亜子 :「もう見つからないから。…蛍も、何も」
レイジ:「…亜子、…いや、違うんだよ。おまえ、おまえの、おまえさ今、まわりに、飛んでたんだよ。…おまえのことな、一匹だけ待っててくれたん」
亜子 :「嘘はもういい”! ……ありがとう。…サイゴノナツヤスミ」

 亜子を連れて帰ってきたレイジを咲子が非難する。

咲子 :「須之内先生でしたっけ? 今野先生におうかがいしたら、第一線の脳外科医のネットワークに、そんな人はいないそうです。バイクのことといい、…亜子ちゃんを殺す気ですか?」
レイジ:「咲子さん」
咲子 :「あたしはね、ずっと亜子ちゃんを育ててきたんです。見てきたんです。守ってきたんです。娘みたいに思ってるんです」
亜子 :「パパに頼まれただけじゃない!」
咲子 :「そうよ。社長に、…お父様に頼まれたの。だけど仕事だけで、十何年もあなたを愛しつづけることができると思う?」

咲子 :「…だからあたしは、亜子ちゃんのためなら、誰になんといわれてもいいんです。社長とお約束したんです。亜子ちゃんはあたしが守るって。だから、お願いです、礼慈さん。この家を出て行ってください」
亜子 :「何言ってるの咲」
咲子 :「あたしには、あなたが亜子ちゃんのお兄さんだとは思えないんです。真壁さんだけじゃなく、ほかの手段を使って調べたっていいんですよ」
亜子 :「そこにいるのは、あたしのお兄ちゃんよ。…お兄ちゃん、何度も手紙出してくれたって言ってたよね」
レイジ:「ああ」
亜子 :「わたし持ってる。お兄ちゃんからの手紙。…一通だけ。ナイルに行くときにちょうど配達が来て、ナイルのマスターに読んでもらった。…咲、本当に送ってくれてたのお兄ちゃん。でもほかのはどうしたのかしらね。あたしには届いていない。スーパーボール捨てられちゃったみたいに、捨てられちゃったのかしらね。二度と母親面しないで。…お休み」
レイジ:「……咲子さん、バイクのことは、すみませんでした。…でも病院のことは、俺と亜子で決めさせてもらいます。俺たち、兄妹で。…お休みなさい」

 咲子は玄関ホールに立ちつくしている。レイジが自分の部屋にはいってくる。

レイジ:「なんだいたの。ね、いるならさ、あれ助け船ぐらい、出そうと思わないかねぇ」
奈留 :「レイジさんのゲームの進め方がわかんないからさあ、下手に手ぇ出せないでしょ。ひとがせっかく手に入れてやった大事な薬をさ、亜子ちゃんにお守りだとか言ってあげちゃうんだもんなあ。風邪薬だと思ってんだよ。飲むわけないじゃん」
レイジ:「あれだろ? どうせ、タクローから買ったんだろ? 使いたくない、そういうの」
奈留 :「じゃあ今日のバイクは何よ。俺はてっきりバイクに乗って亜子ちゃんのこと」
季理子:「殺す気ないもん。…でしょ?」
レイジ:「何よおまえまで、そんな恐い顔して」

 季理子はレイジの頬に平手打ちを食らわせ、その胸を思い切り突いた。

レイジ:「な、なにすんだよ、おまえは」
季理子:「お姉ちゃんとお腹の子どもは殺して平気なくせにあの子は殺せないんだ。…お姉ちゃんはね、あんたのせいで死んだんだ。あんたを愛して死んでったんだよ、お腹の子といっしょに。…いつもあんたといっしょに乗ってたバイクひとりで乗って、ひとりでトラックに突っ込んでよ」
レイジ:「あれは事故だ」
季理子:「だったらあんときのせりふ何よ。病院で死んだお姉ちゃんに言ったせりふなんだよ。二度と乗らねえつったじゃん! 二度とバイクは乗らねえって! …あたしにも言ったよね、ごめんな季理子、栞との約束だから乗せらんねえよって。……でもあの子は乗せたんだ」

 亜子が礼慈の手紙を胸に抱いている。

季理子:「……どうしちゃったの、白鳥レイジ」


●第7話(お前を絶対守る!)の(1)
季理子:「……どうしちゃったの、白鳥レイジ」
レイジ:「……どうもしないよ」
季理子:「…どうもしないけどお姉ちゃんのことは忘れた?」
レイジ:「…憶えてるよ」
季理子:「じゃなんで」
レイジ:「愛してたよ。……俺が愛したのは、栞だけだった。栞が、…あいつと赤ん坊が、死んだのは、そう、俺のせい。でもあれはね、俺たちが、出会ったときから、決まっていた。運命だね」
季理子:「だったら生き残ったあんたはお姉ちゃんの分まで生きなさいよ。ちゃんとお姉ちゃんの亡霊抱えて生きなさいよ。今までそうしてきたんだろ。だったらこれからもそうしろよ」
レイジ:「…するよ」
季理子:「…じゃぁ、早くあの子殺して金とって」
レイジ:「そうだね。奈留、亜子が、タメゴロー(礼慈のあだ名)からの手紙持ってる」
奈留 :「マジ?」
レイジ:「一通だけね。…ナイルのマスターに、読んでもらったって」
奈留 :「なんて書いてあったの? ばれてるってこと?」
レイジ:「いや、だからそれがわかんないから、…探してくれる?」

 亜子が礼慈からの手紙を開いて文字を指でなぞっている。

 奈留が亜子の部屋で手紙を探していると、咲子と五十嵐がはいってくる。

五十嵐:「だったらその手紙、亜子ちゃんに言って見せてもらったほうが」
咲子 :「亜子ちゃんがすなおに見せてくれるくらいなら、あたしだってこんなことしません」
五十嵐:「でもこんなこと亜子ちゃんに気づかれたら」
咲子 :「読むだけ。もとにもどしとけばわからないわ。…あのひとがお兄さんでないって証拠早くつかまなきゃ。でなきゃ、あたしたちには、一銭もはいってこないのよ。あなただってまだ結婚をOKしてもらったわけじゃないでしょ」
五十嵐:「それはまあ」
咲子 :「大丈夫なの? 秘書室の彼女のほうは」
五十嵐:「ええ。二年もすれば結婚できるって、彼女もわかってますから」
咲子 :「そうね。…とにかく、あきらめてたまるもんですか。なんのために今野先生まで巻き込んで、亜子ちゃんに治療受けさせないよう、嘘ついてきたの。やっとよ、やっとあと半年の命っていうとこまできたの。…あたしはね、ううん、あたしたちには、お金をもらう権利があるの。それだけのことしてきたんですもの。それを生きてたあの人があらわれて、全部もっていかれてたまるもんですか」

 そこら中を探し回っていた咲子は、亜子のベッドルームのほうにはいっていくと、「おじゃまいたします。真壁でございます」という声がする。咲子と五十嵐はあわてて部屋の外に出て行く。ベッドの下から出てきた奈留には含み笑いが見える。

 ナイルの亜子とレイジ。

亜子 :「ねえ、レイジさんてどんな人?」
レイジ:「レイジさんのこと、書いてたっけ?」
亜子 :「お兄ちゃんもホストになろうと思った? 歌舞伎町のホストなんでしょ? レイジさん」
レイジ:「うん、あ、あのレイジさんはね。でもあれ、お兄ちゃんは違うよ。たまたま知り合った。まあかわいがってもらったっていうか」
亜子 :「どんな人?」
レイジ:「どんな人って?」
亜子 :「レイジさんにほめられて、生きててよかったって思ったんでしょ? あたし、そんなふうに思えるひとと、会ったことない。…会ってみたいな、そのレイジさん。今も歌舞伎町にいるの?」
レイジ:「うん、あ、うん、今は、いないんじゃないかな。あ、なんか田舎のほうに引っ込んだってうわさ聞いたから、前に」
亜子 :「じゃあ、会えないんだ」
レイジ:「うん、あ、あれだよね、うん、考えてみればさ、ぜんぜん大した人じゃないよね。ただの、大嘘つき。金だけのために生きてるような人でさ。ほん、ほんととかそういうのどこにもない人」
亜子 :「…そうなんだ。…レイジさんてお兄ちゃんにとって神様みたいな人なんじゃないかって思ってた」

 そこに楓がはいってくる。亜子はレイジと帰る。道すがら、かまびすしい蝉の声。

亜子 :「楓ちゃんはね、あたしが不幸なら不幸なほどうれしいの」「声の感じでわかる」
レイジ:「それはさー、ね、ちょっと考えすぎなんじゃないか」

 亜子は何を思ったか、バッグから封筒らしきものを出して破きはじめる。

レイジ:「それ?」
亜子 :「お兄ちゃんからの手紙」
レイジ:「なんで?」
亜子 :「捨てるの。きっと咲が探して読むだろうから」

 ゴミ箱コンテナを開けると子猫がはいっている。レイジは猫を亜子にあずけ、「手紙捨てるよ」と言ってポケットに入れる。

レイジ:「そういえばね、レイジさんてね、捨てられてたらしいよ、ゴミ箱に。…生まれてすぐ、ゴミ袋に入れられて、捨てられちゃったんだって」
亜子 :「嘘!」
レイジ:「…嘘に決まってるよねぇ。…そんなんで、生きていられるわけないじゃんねえ。…まだヘソの緒ついてたってんだよ。…ありえない。…そういう嘘をね、平気でつく人」

 亜子とレイジがもどると真壁らが待っている。

真壁 :「以前勤務していた病院でやはり無理な手術で問題を起こし、実質脳外科の世界から追放されています」
レイジ:「でもその後ロスに渡り、向こうの医学を学んで帰国」
真壁 :「帰国後も、患者を実験材料としか見ていないようなそのやり方は変わらず、今度はそこに過大なお金もからんできて現在西新宿病院は五件の訴訟を抱えています」
レイジ:「でも助かった奴だっていくらだっているんだって」
真壁 :「法外なお金を払ってね。…裏の世界の方が多いみたいで」
亜子 :「いいじゃない。お金ならあるんだから」
咲子 :「そういう問題じゃないの。あたしはね、亜子ちゃんには最善の医療」
亜子 :「あたしの命よ。あたしがどうしようと勝手でしょ。…五十嵐さん」「こないだの話、プロポーズだと思っていいんですよね?」
五十嵐:「ああ、僕はそのつもりだけど」
亜子 :「…お受けします」
真壁 :「ご結婚?」
亜子 :「五十嵐さん、よろしくお願いします」

 奈留が庭で散水しながら何でも屋に電話している。亜子が自室にもどろうとすると五十嵐が追ってくる。それを階段下から奈留が見ている。

亜子 :「…生きている間に、ウェディングドレスぐらい着ておきたい。…そんな夢かなえさせてくれるのは、五十嵐さんしかいないから」
五十嵐:「それは、それはどういう意味かな?」
亜子 :「感謝しています。千人の社員とその家族が五十嵐さんの肩にかかっているんですよね。結婚すれば、この前みたいに気を使ってお兄ちゃんに頼む必要もないでしょ。会社にお金が、必要なとき」
五十嵐:「亜子ちゃん、まさか、僕がそういうつもりでプロポーズしたなんて思ってるわけじゃないよね。もちろん僕には、会社に対する責任がある。でもそれは、会社の人間としてで、僕はその前に一人の男だよ。…君を愛して、君を守りたい一人の男だ」

 五十嵐はドアを閉めて、いやがる亜子を抱きすくめようとする。その時、ドアが開いて奈留がはいってくる。

奈留 :「亜子ちゃん! …あ、ごめんなさい」
亜子 :「あ、奈留君いいの。なに? あ、じゃ、五十嵐さん、式の細かいことはまた」
五十嵐:「そうだね、じゃ」

奈留 :「大丈夫なの? いや、いきなりドアの閉まる音したからちょっと気になっちゃって。あ、ほんとにね、用事もあったんだよ、ほら、花壇の花のこと。枯れちゃってるのあるからどうしようかなと思って。行ってみない庭」
亜子 :「うん」

 奈留が亜子の左脇に来て右肘を貸そうとする。

奈留:「あ、家の中だもんね、こんなことしなくていいんだよね」
亜子:「うん」
奈留:「じゃ行こうか」
亜子:「あの、…ありがとう」

奈留:「半分ぐらい枯れちゃってるな。なんでだろ」
亜子:「そういう運命だったんだ」
奈留:「同じ場所にいるのに枯れる花と枯れない花」
亜子:「種がいい」「今度ここに植えるのは、もう生まれてる花じゃなくて、これから生まれてくる花の種がいい。(枯れてしまった花をむしり取る)神様に見放された子はね、最初から生まれてこないほうがいいの。…そのほうがしあわせでしょ
奈留:「(亜子の手の汚れを払いながら)そうだね」
亜子:「奈留君、ホストのレイジさんのこと知ってる?」
奈留:「ああ、知ってるよ」
亜子:「じゃあ今どこにいるか知ってるの?」
奈留:「(亜子の手を握りながら)いや、まだいるんじゃないかな歌舞伎町に」
亜子:「ぇ」

 タクローと晴男がキャッチボールをしている草野球場にレイジがやってくる。

レイジ :「なんでやめちゃったの、野球」
タクロー:「あたしこう見えましても、長男でしてね。でもま親がね、もう考えなしに子どもつくるもんだからもう絶頂期には、学校帰るたびに兄妹が増えてるんですよ。足の踏み場もありゃしない。でもね、…これがかわいいんだー、もうどこへ行くにも、犬ころか猫ころみたいに、うじゃうじゃうじゃうじゃじゃれついてきましてね、…それで、そのかわいい弟と妹のために、働きに、出たわけです」
レイジ :「苦労してんだ」
タクロー:「あたしが? いやー、あなたの苦労にくらべらば。…あたしには、家族が、いましたからね。で、なんです? 用っていうのは」
レイジ :「……西新宿病院の、須之内、…紹介してくんねえかな」
タクロー:「…亜子ちゃん、ですか?」

タクロー:「(見つめあう二人)……助けようと、してるんだ。…で、代わりに自分は、死ぬつもりなんだ。…レイジさん! あたしゃなにもね、あんた殺すためにこの仕事請け負ったわけじゃないんですよ。あたしはただ、七億三千万、あんたから、回収できればそれでいいんですよ」
レイジ :「すればいいじゃない」
タクロー:「あんた命投げだしゃあそれで気持ちいいでしょうけれども、その分残されたこっちは余分な無駄と手間と、面倒がかぶさってくるんだ、だめだよ自分だけ。そんな白状なこと考えちゃ。……がっかりしたよ! 愛は人を堕落させますね」
レイジ :「(タクローの前に土下座して)頼む、紹介してくれ」
タクロー:「…晴男、…悲しいねえ、よく見ときな、これが、歌舞伎町で伝説のホストと言われた男の、なれの果てだよぉ。…悲しいなあ。(レイジを抱き起こして)期日までに、七億三千万、キャッシュで、お願いします(左耳をかじって引き倒す)」

 仰向けに倒れているレイジの胸に晴男がハンカチを投げる。

レイジ:「なに、晴男ちゃん」
晴男 :「今度タクローさん悲しましたら、俺が許さないから」
レイジ:「…よっぽど好きなんだね、タクローさんのこと」
晴男 :「あの人は、俺の神様(歩み去る)」
レイジ:「神様、ね」


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