绿水仙,红水仙
(2014-04-02 17:44:30)
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水仙梦野久作日本散文 |
分类: 日本随笔 |
绿水仙,红水仙
梦野久作
翻译:王志镐
有一天,她从学校回来就直接来到庭院,一看不得了了!父亲将庭院中央全都挖了一遍,留作种田用。见了歌子忙道歉道:
“啊,是歌子吗?你爸爸不留神做了坏事,将你心爱的水仙用铁锹砍成了两半,扔到了后面的草地上。请你原谅。作为代替,下一次到了水仙花开的时候,给你买大个头的中国水仙吧!”
歌子想要哭,好不容易才忍住了,她到后面的草地上去寻找,已经找不到了。于是这天晚上,她躺在被窝中一边想着,一边哭着睡着了。
第二天从学校回来的时候,歌子一边抽抽搭搭地哭着,一边想着:“回到家里,再也不能给水仙浇水了,真没意思!”路上有两位衣着华丽的女孩走了过来,亲昵地靠近在边上,问:“你为什么要哭啊?”
歌子说出了原因,她们一边亲切地说:“和我们一起去玩吧!”一边与她一起回到了家。
两位姑娘都是恬静老实的孩子,两人的脸色都像雪一样白,发辫上系着黄金的稻穗饰物,一个系着红色的丝带,一个系着绿色的丝带。歌子觉得有点不可思议,就问道:
“你们穿着这样薄的绿衣服,不冷吗?”
“一点也不冷!”
“那你们叫什么名字?”
“叫花子、玉子!”
“从哪里来的?”
两人相对笑了起来。
“近来来到贵处,请一起玩吧!”
“真是温顺老实,品行优秀的姑娘啊!歌子如果与她们一起玩,连在不在家都似乎不觉得。”
这时来到了正月。
歌子躺下想做正月初一的梦,经常来的两位姑娘一齐拿来枕头,仿佛很高兴地说:
“今天要分别了。”
歌子吃了一惊,不过想起了刚才做的梦,就安心下来,问:
“啊,到哪里去?”
两人似乎很难为情地说:
“从今天起必须到后面的草地上去。请与我们一起去玩!”
在说这话期间,两人的身影消失了。歌子睁大了眼睛,好不容易缓过一口气来。
“那么,是水仙精灵来过了吗?”
她焦急地等到天亮,去草地那边看了看。
在草地那黄色的枯草之中,一枚水仙伸展着翠绿的叶子,并排开着美丽的红绿两色的花。
青水仙、赤水仙
夢野久作
うた子さんは友達に教わって、水仙の根を切り割って、赤い絵の具と青い絵の具を入れて、お庭の隅に埋めておきました。早く芽が出て、赤と青の水仙の花が咲けばいいと、毎日水をやっておりましたが、いつまでも芽が出ません。
ある日、学校から帰ってすぐにお庭に来てみると、大変です。お父様がお庭中をすっかり掘り返して、畠にしておいでになります。そうしてうた子さんを見ると、
「やあ、うた子か。お父さんはうっかりして悪い事をした。お前の大切な水仙を二つとも鍬(くわ)で半分に切ってしまったから、裏の草原(くさはら)へ棄ててしまった。勘弁してくれ。その代り、今度水仙の花が咲く頃になったら、大きな支那水仙を買ってやるから」
とおあやまりになりました。
うた子さんは泣きたいのをやっと我慢して、裏の草原(くさはら)を探しましたが、もう見つかりませんでした。そうしてその晩蒲団(ふとん)の中で、「支那水仙は要らない。あの水仙が可愛いそうだ。もう水をやる事が出来ないのか」といろいろ考えながら泣いて寝ました。
あくる日、学校から帰る時にうた子さんは、「もううちへ帰っても、水仙に水をやる事が出来ないからつまらないなあ」とシクシク泣きながら帰って来ますと、途中で二人の綺麗なお嬢さんが出て来て、なれなれしくそばへ寄って、
「あなた、なぜ泣いていらっしゃるの」
とたずねました。うた子さんがわけを話すと、それでは私たちと遊んで下さいましなと親切に云いながら、連れ立っておうちへ帰りました。
二人はほんとに静かな音なしい児でした。顔色は二人共雪のように白く、おさげに黄金の稲飾りを付けて、一人は赤の、一人は青のリボンを結んでおりました。うた子さんはすこし不思議に思って尋ねました。
「あなたたちはそんな薄い緑色の着物を着て、寒くはありませんか」
「いいえ、ちっとも」
「お名前は何とおっしゃるの」
「花子、玉子と申します」
「どこにいらっしゃるのですか」
二人は顔を見合わせてにっこり笑いました。
「この頃御近所に来たのです。どうぞ遊んで下さいましね」
うた子さんはそれから毎日、三人で温順(おとな)しく遊びました。本を見たり、絵や字をかいたり、お手玉をしたりして日が暮れると、二人は揃って、
「さようなら」
と帰って行きました。お母さんは、
「ほんとに温順(おとな)しい、品のいいお嬢さんですこと。うた子と遊んでいると、うちにいるかいないかわからない位ですわね」
とお父さんと話し合って喜んでおいでになりました。
そのうちにお正月になりました。
うた子さんは初夢を見ようと思って寝ますと、いつも来るお嬢さんが二人揃って枕元に来て、さもうれしそうに、
「今日はおわかれに来ました」
と云いました。
うた子さんはびっくりしましたが、これはきっと夢だと思いましたから安心して、
「まあ、どこへいらっしゃるの」
と尋ねました。二人は極(きま)りわるそうに、
「今から裏の草原(くさはら)に行かねばなりません。どうぞ遊びに入らっして下さいね」
と云ううちに、二人の姿は消えてしまいました。うた子さんはハッと眼をさましましたが、この時やっと気がつきまして、
「それじゃ、水仙の精が遊びに来てくれたのか」
と、夜の明けるのを待ちかねて草原(くさはら)へ行ってみました。
草原(くさはら)は黄色く枯れてしまっている中に、水仙が一本青々と延びていて、青と赤と二いろの花が美しく咲き並んでおりました。