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艺术赏析日本诗歌 |
分类: 日本报刊杂志摘译 |
日本诗歌六首
一. 我が家
わがいえ
笑い 語り 歌い
わらい かたり うたい
皆が生きていく
みながいきていく
大空から見てごらん
おおそらからみてごらん
小さいマッチ箱のような私の家
ちいさいマッチはこようなわたしのいえ
細々と暮らしているなどと
ほそぼそとくらしているなどと
言うもんじゃない
いうもんじゃない
助け合っている
たすけあっている
感謝し合っている
かんしゃしあっている
我が家には
がいえには
家族が生きている
かぞくがいきている
二.路
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を独り立ちにさせたひろだいな父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父のきはくを僕に充たせよ
この遠いみちのりのため
この遠い道程のため
三. この恋の行方(ゆくえ)
きれいな夕焼け(ゆうやけ)の空
雄大(ゆうだい)に流れるピンク色の雲
自然の流れにまかせて
やわらかそうな雲のかたまり
ゆっくり、ゆっくり、と
ながれていく
私と君
今まで まったく別のみちを
歩んできたね
予想もしなかった君との
偶然(ぐうぜん)の出会い
偶然の恋のはじまり
どうしてこんなに
好きになったんだろう 君のこと......
今はこんなにお互いに
心がつながっているのな
これからどうなっていくのかな
この恋の行き方
いつか 二人で同じみち
今から先のことを心配しても
切りがないけど
物思いにふけるきょうの午後
私と君のこそ恋の行き方
この空に浮かぶ雲のように
自然の流れにまかせてきるの
もわるくないかもしれない......
ふと、そうおもった
四. 深夜の放送 深夜广播
暗い部屋の向こうから
流れてくる深夜の放送
やさしい夜の調べ......
だれが耳を傾(かたむ)けているのか
土曜日のダンスパーティーで
胸に熱い頬(ほお)を預(あず)けて
躍ったあの曲......
だれとステップ踏んでいるのか
風は黙って通りすぎ
冷たく香りも失せはて
夜の仮面(かめん)があざ笑い......
だれの声を待っているのか
時計が刻(きざ)むこの部屋の
闇(やみ)に流れる深夜放送
ゆくりなくも涙......
だれが扉(とびら)を開いているのか
五. 花の一日 花的一天
花壇の花に
水を注(そそ)いだ。
大きなブリキの漏斗(じょうご)で――
枯れた花があったので、ひっこぬいた。
風が花をゆすり
水はのぼっていった。静かに
ヒヤシンスやカーネーションの中を――
それから、ピアノの前に座り
でたらめな曲をひいた。
プールへ行き
誰もいない水の中へ飛び込んだ。花々はよみがえり
向日葵は、太陽と共にまわった――
その夜は遅くまで眠れず
浅い夢がやってきた。
花を次々に咲かせ
散らしていた。
六. 夕焼け 晚霞
いてはならないところにいるような
こころのやましさ
それは
何時
どうして
僕のなかに宿(やど)ったのか
色褪せた夕焼け雲のように
大都会の夕暮の電車の窓ごしに
僕はただ黙して見る
夕焼けた空
昏(ぐ)れ残る梢(こずえ)
灰色の建物の起伏(きふく)
影
美しい影
醜(しゅう)いものの美しい影
(完)

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