川端康成:伊豆的舞女(节选)
(2021-06-19 07:45:29)
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杂谈 |
伊豆の踊り子
一
道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思うころ、雨足が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。
私は二十歳、高等学校の制帽をかぶり、紺飛白の着物に袴をはき、学生カバンを肩にかけていた。一人伊豆の旅に出てから四日目のことだった。修善寺温泉に一夜泊まり、湯ヶ島温泉に二夜泊まり、そして朴歯の高下駄で天城を登って来たのだった。重なり合った山々や原生林や深い渓谷の秋に見とれながらも、私は一つの期待に胸をときめかして道を急いでいるのだった。そのうちに大粒の雨が私を打ち始めた。折れ曲がった急な坂道を駆け登った。ようやく峠の北口の茶屋にたどり着いてほっとすると同時に、私はその入口で立ちすくんでしまった。あまりに期待がみごとに的中したからである。そこに旅芸人の一行が休んでいたのだ。
突っ立っている私を見た踊子がすぐに自分の座布団をはずして、裏返しにそばに置いた。
「ええ……。」とだけ言って、私はその上に腰をおろした。坂道を走った息切れと驚きとで、ありがとう。という言葉が喉にひっかかって出なかったのだ。
踊子とま近に向かい合ったので、私はあわてて袂から煙草を取り出した。踊子がまだ連れの女の前の煙草盆を引き寄せて私に近くしてくれた。やっぱり私は黙っていた。
踊子は十七くらいに見えた。私にはわからない古風の不思議な形に大きく髪を結っていた。それが卵型のりりしい顔を非常に小さく見せながらも、美しく調和していた。髪を豊かに誇張して描いた、稗史的な娘の絵姿のような感じだった。踊子の連れは四十代の女が一人、若い女が二人、ほかに長岡温泉の印半纏を着た二十五六の男がいた。
私はそれまでにこの踊子を二度見ているのだった。最初は私が湯ヶ島へ来る途中、修善寺へ行く彼女たちと湯川橋の近くで出会った。その時は若い女が三人だったが、踊子は太鼓をさげていた。私は振り返り振り返り眺めて、旅情が自分の身についたと思った。それから、湯ヶ島の二日目の夜、宿屋へ流しが来た。踊子が玄関の板敷で踊るのを、私は梯子段の中途に腰をおろして一心に見ていた。あの日が修善寺で今夜が湯ヶ島なら、明日は天城を南に越えて湯ヶ野温泉へ行くのだろう。天城七里の山道できっと追いつけるだろう。そう空想して道を急いだのだったが、雨宿りの茶屋でぴったり落ち合ったものだから私はどぎまぎしてしまったのだ。
一
山路变成了弯弯曲曲的小路,眼看就要到达天城山山顶的时候,阵雨白茫茫地掠过茂密的杉林,从山脚下飞快地向我追来。
我那年二十岁,头上戴一顶高中生的帽子,上身穿着藏青碎白花和服,下面套一条裙裤,肩上挎着书包。我独自来伊豆旅行已经是第四天了。先在修善寺温泉住了一宿,又在汤岛温泉住了二宿,接着脚蹬高齿朴木木屐向天城山赶来。这是在秋天,重重叠叠的群山、原始森林和深邃的峡谷,美丽的景色令人目不暇接;可是我却怀着一颗急切的心情忙着赶路。跑着跑着,大颗的雨点打在我的身上。过了曲折陡直的山坡,好不容易来到山顶北口的茶馆,刚要歇一口气,却不由自主在门口愣住了。因为我的期望圆满地实现了,原来那一行江湖艺人也在这里避雨。舞女见我傻呆呆地站着,马上腾出自己的坐垫,翻过来放在旁边。
“这……”我一时语塞,在垫子上坐下来。刚才一路紧跑,又在门口吃了一惊,喘息和惊讶使我把“谢谢”二字卡在喉咙里又咽了回去。因为紧对着舞女,我慌忙从袖口里掏出香烟。舞女把同伴前面的烟盆拉过来移到我的附近。我还是没有谢她。
舞女看上去十七岁左右,梳着一种很大的我不清楚的古代发型,使得她端庄典雅的鹅型脸蛋看上去非常小巧,却也美丽协调。那样子就像野史中将发型极力宣染的仕女图。舞女的同伴中有一位年过四十的妇女,二位年轻的姑娘,此外还有一位二十五、六岁,身穿印有长冈温泉徽号的男子。
在此之前,我曾经见过她们二次。第一次是去汤岛的途中,她们正好去修善寺,我们在汤川桥附近迎面相碰。那时是三位年轻姑娘,舞女拎着大鼓。我一遍一遍回头张望着她们,心中感到阵阵独自旅行的孤独。后来,在汤岛的第二夜,她们转到我住宿的旅馆里。我坐在楼梯的中间,一边聚精会神地观看舞女在门口的地板上舞蹈,一边想:那天是修善寺,今晚是汤岛,明天她们也许会向南翻过天城山到汤野温泉去吧。翻过天城山有五、六十里山路,我肯定能够追上她们。我这样幻想着,一路赶来;可是在避雨的茶馆里同她们巧遇,多少使我有些不知所措。